お題「他の人のお金を使ったエピソードを聞くのが好きです。最近の散財エピソードを教えてください。」
最近ではないのですが…
お祝いすることがあって 夫婦で
レストランに行った時のことです
キャビアなるものがメニューにありまして
「食べてみたいなあ」 と夫に言いましたら
「いいんじゃない」 と
その時ちょっと太っ腹な気持ちになっていた夫は言いました
「だけど、僕は魚卵系は嫌いだから君だけね」と夫
「うん ありがとう」と 私 満面の笑み
そこで
ウェイターさんに
「キャビアを 一人分 お願いします」
と伝えました
さて、当のキャビアのおでましです
まずは
ちぃっちゃなブリニ(ロシア風パンケーキ?)を乗せた
大きなお皿が私の前に置かれました
たらーん と音が聞こえてきそうな笑顔で
ウェイターさんが キャビアの瓶を誇らしげに私たちに見せ
なんやらかんやらを述べ
そして
え? と思うような大きなスプーンを取り出して
小さなキャビアの瓶の中に
ぐいっとツッコむ
取り出したスプーンの上には
私の想像の20倍量のキャビア
えええっ その量ですか?
キャビアって、クラッカーの上に色々乗せた上に
ちょびっとだけ乗ってる、あれくらいの量をいただくのではないのですか?
「いえ、そんなにいらないです」
と言えない小心者二人
(高級レストラン慣れしていないのと
予想を裏切る展開に声も出ない)
笑顔のウェイターさん
ブリニの上にどかっと乗せ
そしてあれよあれよという間に
もう一杯
「もっといる?」
声を出す前に 夫と二人で
首を大きく横に振っていた
小さなブリニの上に こぼれ落ちそうなほど
こんもりと 不自然なほど 山盛りになったキャビア
血が引いていく大きな音がする
「キャビアはグラムいくら って書いてあったよね」
「これ、何グラムくらいかな」
「お金ある?」
「足りなかったらどうしよう 皿洗い?」
「すごい量だからさ、少し食べない? 全部私が食べるのは申し訳ないよ」
「僕は魚卵嫌いだから!」
二人でこそこそと耳打ち
キャビア代が気になりすぎて
他のお料理の味も覚えていない
かくして
その日のお会計は 今現在に至るまで
私たち夫婦が レストランで支払った最高額の座をキープし続け
今後もその座に留まることがほぼ決定している
そして
お会計の内の半分= キャビア代 = 私のお腹の中
え? 山盛りキャビアのお味?
しょっぱかった事くらいしか覚えてません