JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

ハンティングシーズンが始まった 3

 

2からの続きです 

長くなってすみません m(_ _)m

 

さて

トムとの再会に嬉涙した私

 

しかし その感慨に耽る間も無く

柵を跳び越え(させられ?)

 

落ちないのが不思議なくらいの体勢を

火事場の馬鹿力でどうにか立て直し

 

柵を越えた 落ちなかった 

という喜びよりも

 

これで今日の難所終了と

気が抜け 脱力していた私

 

ところが

トムがこの場所で待っていたのには 

 

大きな訳が

 

この柵の前までは放っておいても大丈夫

だけど、柵以降は、トムのサポートなしには進めない

という事実

 

そう ここから先

 

どれが一番かわからないくらい

(私にとって)

難所難所の目白押しだったのです

 

柵を越えた馬の集団は 森の中に入り

 

時には獣道のような

人が通るほどの幅もない細い道を

 

張り出す木の根や

目の前を通せんぼする枝を

避けながら進みます

 

先頭を行く リーダーの

 

「枝! 頭下げて」

 

「大きな石! 右に避けて」

 

という言葉が 前から後ろに伝言ゲームのように伝えられ

私も後ろについてくれているトムに伝えます

 

橋のかかっていない川に馬を乗り入れる時には

前の馬の通ったルートをそのままなぞり

 

前の馬が走り出したら

私も軽く鐙(あぶみ)の上に立って馬を走らせる

 

(絶対にここで遅れるわけにはいきません)

 

流石に前の馬のお尻がすぐ前にあると

私の相棒栗毛ちゃんも

遅れずついていってくれました

 

多分、私のすぐ後ろにいてくれたトムが

圧をかけていてくれたのだろうと思います

馬って、人を見るので

 

 

もう、考えている余裕はありません

 

 

ただ、目の前の人馬の真似をするのみ

 

 

そして、とうとう

最大の難所が目の前に

 

それは斜度いくつかなんて考えたくないような急斜面

大木の根っこや大きな岩まで突き出てる

 

 

高さにしたら多分2mくらい

それが2つ、角度を緩く変えて交わっているのです

 

馬に乗っていなくても

手を使って降りるような斜面

 

今度こそ馬から降りなきゃ無理 と思った私に

 

トムが

のんびりした声で

 

「馬は人と違って脚が4本あるから大丈夫

絶対に転ばない

 

大切なのは

怖いからって前のめりにならないこと

 

後傾姿勢をとって

馬に任せれば勝手に降りてくれる」

 

 

さっきの柵のことが頭に浮かびました

私が何かするより

ただ、この子に任せてしまうのが最善かも

 

 

重力に逆らわず、ただ馬の背にいること

それは、ほとんど 馬の背に寝転んでいるかに見える角度です

 

それだけ斜度がきつかった

 

馬が一歩降りるごとに体が大きく左右に傾き

そして

だんだんと馬の首の高さが私の目の前に戻ってきて

無事に斜面を降り切った

 

二つ目も同じように

 

 

無事平地に降り立つと

 

トムが後ろから

 

「Well done!」

 

と言って、親指を立てて見せた

 

 

これが最後の難所

 

そこから少し歩くと舗装された道に出て

ボランティアの人たちが誘導する中

街の中を馬の集団が進む

 

頬をほてらせた人たちの満足そうな笑顔

胸ポケットからフラスクを取り出して飲む人も

(乗馬は飲酒 関係ないみたい)

みんなで意気揚々と帰路につく

 

そのうち一頭一頭、ぱらぱらと抜けていき

ホリー厩舎の私たち4人になった

 

ふと気づけば 厩舎のすぐ裏に来ていた

 

3時間かけてダブリンまで

馬で戻ってくるルートだったらしい

 

馬を馬房に入れ、手入れを終えてクラブハウスに戻ると

ホリーたちが 拍手とハグで出迎えてくれた

 

「初めてなのに落馬もせずよくやったわ」

 

「I'm proud of you! 」

 

トムが 私が柵をジャンプした時の様子を

かなり脚色して 伝えたようだった

 

なぜか今になって涙が出てきた

 

AnnaによるPixabayからの画像

 

 

さてその後

さすがに3時間ぶっ通しで馬の背に乗っていたのは初めてで

全身の筋肉痛と、お尻のひりひりはお約束

 

 

そして私は今も

あの柵越えは跳び越えたのではなく

半分体当たりして無理やり乗り越えたんじゃないかと思っている

 

だって、いくらなんでも70cmだもの

 

おまけ:

実は私 ホリーの厩舎の他に

ブレナンズタウンという乗馬学校にも通っていました。

アイルランドでの乗馬がどんな感じか

もしご興味がありましたら 覗いてみてください😉

 

www.brennanstownrs.ie