JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

腰痛で雪山

ドイツに住みはじめの頃

夫が せっかくヨーロッパにいるんだから

スキーに行きたい と言い出した

 

当の私は まーったく

気乗りしない

子供の頃は 地域柄 

スキー授業があったから

得意では間違ってもないけれど

滑る事ができない訳 じゃない

大学時代も 年に何回かは

滑りに行った

 

ただ 会社に入って

ハウスダストアレルギーを 

発症すると同時に

寒暖差アレルギーにもなり

スキーは 

リフトで上がるまではいいけれど

滑り降りてくる間に

容赦なく吹き付ける 冷風に

鼻がおバカになる

 

滑り降りる途中で 

邪魔にならない場所を探して 立ち止まり

ストックを ぐさぐさ突き刺し

分厚い手袋を外して 

ポッケからティッシュを取り出し

鼻をぶんぶんとかみ

ティッシュをポッケに入れて

手袋をはめて ストックを持つ

それを何回も繰り返す

下に降りれば ポケットにいっぱいになった

ティッシュを捨てて

新たなティッシュの調達が必要

 

これを繰り返すことになり

まったく楽しくない

人が5回滑り降りる間に

私は2回くらい? 

リフト1日券買って コスパ悪すぎ

その上 お鼻は寒風と かみすぎで

まっかっか

 

だから すっごく行きたくなかったけど

「ホテルでのんびりしていたらいいよ」

「美味しいものでも 食べてさー」

オーストリアでスキーは 僕の夢なんだよ」 

ってまで言われたら まあそれもありか

と 渋々OK  予約した

 

ところが

旅行の二、三日前になって

腰痛発症 

それは ソックスを履くのに

ベッドに寝っ転がらないと

履けないくらいの 痛み

 

この状態では 

いくらドイツが誇る 高速列車

快適ICEでだって

オーストリアの山奥まで 

座りっぱなしで行くのは辛い

 

だって 7時間ですよ 7時間座りっぱなし

腰痛の女が7時間

行きたいんだったら 一人で行ってくれ

 

だけど どうしても

一人では行きたくない夫

泣いてスカして 

それでも聞かぬときたら

脅しまで入ってきたものだから

 

(まあ キャンセル料も 

もったいなかったので)

仕方なく 嫌嫌 どんより

オーストリアチロル地方

出発ーーー😱

 

案の定 行きの列車の中は

腰痛で身動き取れず

トドのごとく過ごし

ホテルについても 

食事時以外は 部屋で寝っ転がって

呻きながら 本を読んで過ごした

 

その間、夫はスキー満喫😤

ですのでね

合間に 夫にちくちくちくちく

言うのは忘れませんでしたよ

 

「いたいなー、こんなに腰が痛いのに

何でここにいるんだろうなー」

 

「帰りもまた 電車のるの 

いやんなっちゃうなー

お礼に何やってもらおうかなー」

 

オーストリアまで来たけど

ドイツと食事変わんないよなー」

などなど

 

さすがの夫も 何かしないと

家に帰ってからが怖いと 

察したらしく

ホテルの

エクスカーションパンフレットを

持ってきて

「これ行かない?」と見せてきた

 

そこにあったのは チロルで乗馬 

腰が痛いのに、乗馬ぁだとぉ おおおっ💢

「あなたは気づいていないようだけど 

私はね、腰が痛いの」

「腰が痛い時はね こんなところにこないで

ちゃんと静かにしてるのが 一番なのっ」

 

そうは言ったものの 

目の前の

パンフレットは とってもとっても魅力的

アルプスの雪の草原&山道を

馬で歩くなんて そうそう

経験できるものじゃない

ただ、ドイツで

乗馬を再開する前だったから

ちょっと心配 

 

だけど

お馬さんが夢にまで出てきて

まあ 姿勢を良くしていれば

乗れないこともないかも??? と

申し込むことにした

 

行ってみれば さすが

乗馬の本場 ヨーロッパ

観光客相手といえども 本格的

 

雪道をも ものともしない

毛足が長くて(冬毛なのでね)

蹄の大きな

優しいお目目の 

お馬さんが引かれてきた

 

乗る時に 腰を曲げるのが怖かったけど

ここは 片足を持ち上げてもらって

腰を曲げることなく 楽々と馬上の人に🎶

 

ここの乗馬体験は アリーナではなく 外乗

もちろん引き馬でもない

(乗ったことのない 夫の方が 

大丈夫か? と思ったけれど

馬が賢くて ちゃんとついてきていた)

 

雪に埋もれた 村々を通り過ぎ

雪に埋もれた 小川にかかる 橋を渡り

ずんずんと 森の中に入っていく

私たち以外 人っこ一人いない 

雪道にさしかかり

 

先導してくれる人が

ここなら カンター(駆け足)で

走れるよ やってみるかい? という

 

森の中に 真っ白い雪の道

「やるやる!」 と言ってから

腰が痛いのを思い出した

 

駆け足は とっても

気持ちの良い走り方だけど

馬の背中の動きに 

腰を合わせなくてはならない

そして そもそも 

駆け足させるには

シッティングトロットで

指示を出す必要がある

 

このシッティングトロットというのが 

曲者で

前後左右クネクネと動く 馬の背に

合わせて どっしりと

座らなくっちゃならない

これがしっかり座れていないと

馬に指示が伝わらない

 

どう考えても

腰には酷な 動きです

 

「ちょっとやめときます」

と 言おうと思ったけれど

先導の彼は 夫を連れて 

さっさと道の端まで行って

「おーい こっちこっち」と

手を振っている

 

ここでやんなきゃ 女が廃る

今の所 馬に乗っていても いい感じで

痛みも良くなった感じがするし

痛きゃ そこでやめればいいのよ

 

「Juniper行きまーす」 と手を挙げて

シッティングトロットから駆け足へ

あらま 腰の痛みは どこへやら

トランジション

スムースに行った

 

雪景色の中 たてがみを靡かせ

雪を蹴散らしながら 

走る走る

ひんやりとした空気が

きもちいーい

 

あっという間に 到着

あと何回だって 走りたいくらい

 

その後も

誰もまだ足跡をつけていない

雪原に馬で入って行ったり

可愛らしい村々の中を歩いたり

大いに満喫

 

そして…なんとも嬉しいことに

馬から降りて 気づいたのは

腰痛がぴたーっと治ってた

 

馬を歩かせている時から

なんか楽だなあと思っていたら…

 

以前日本で流行った ジョーバ効果なのかしら

筋肉がほぐれて 腰痛解消

 

なにしろ

冬の外乗って こんなに楽しいんだ!

こんなことなら

部屋で燻っていないで

毎日乗馬に申し込めば良かった

 

乗馬の おかげさまさまで

帰りの電車もごくごく平和

パンフレットを持ってきてくれたのは

夫なので 許してしんぜます

 

終わりよければ全てよし

腰痛に乗馬 効きますよ