JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

『らんまん』 と 幼い頃に見た図鑑

『らんまん』が今日で最終回ですね

いつもなら 途中で

ちょっと とばしちゃったりするのに…

今回は珍しく

一話からモレなく 見続けました

 

というのも この物語が

子供の頃の 小さな謎を 

解いてくれたから

 

私の実家は やけに古くて

中にあるものも 

埃の積もった 時代を経たものばかり

 

本も同じで

祖父も父も 本の収集癖があったようで

本棚だけでなく 行李の中や 土蔵の中まで

いつの時代のものかいな? と

疑問符が浮かぶような

古めかしい本が 所狭しと並んでる

 

子供の背では 脚立に乗っても 

上段に手が届かないくらい 背の高い 

客間に置かれた 本棚の中には

 

横文字の本や

革で装丁された本

分厚い全集 などなどが

ずらりと並ぶ

 

その本棚の 上の方

古びて 陽に焼けたケースに入った

(入っていた本は全部そうだったけれど)

やっぱり分厚い本があって

それが 

 

牧野 新日本植物図鑑 だった

 

名称は うろ覚えだけど

ただ 牧野 という漢字と

それが 植物図鑑だったのは

しっかりと覚えていて

 

というのも 子供の頃

牧野さんって誰? 

なんで本のタイトルに 苗字がついてるの? と

その図鑑を眺めながら 思ってたから

 

(ちゃんと読めば わかっただろうけれど

その時は幼かったので)

 

子供の頃の私は 鍵っ子で

お留守番の時は決まって本を読んでいた

手元にあるものを読み終わると

大人用の本棚から

読めもしない本を 

順繰りに 引っ張り出して

眺めるのが お決まり

 

下の段を 攻略し終わると

ソファをずるずると

本棚に寄せ

ソファの背によじ登り

分厚い本を

上段から 引っ張り出した

 

その中の一冊が

植物図鑑

 

緻密な画が 美しくて

そうっとめくっては 見惚れ 

見終わると

丁寧に ブックケースに入れて

また 元に戻す を

何度も 繰り返した

 

他の本は 文字が小さすぎたり

読めない漢字ばかり だったり

子供には ちんぷんかんぷんの

外国語 だったりしたのに 比べ

 

その本は

こむずかしい 日本語ではあったけれど

絵が多かったので

子供の目にも楽しくて

開く回数も 多かった

 

牧野博士が生きた時代は 

丁度 祖父の時代と重なる

 

祖父も父も 法学系だったので

直接の関わりは

なかっただろうけれど

すれ違ったり 

もしかして 言葉を交わしていたかも?

(あ、ちなみに 私は 

父が50を過ぎてからの子なのです…)

 

そんな事を 思いながら 

『らんまん』を 見ていると  

 

全てドイツ語で進む授業とか

専門書が貴重で高価で

震災では 何より本を運び出したとか

 

父や おじおばから 聞いていた世界と

物語がシンクロした

 

まさか 

子供の頃に 眺めていた 図鑑を作ったのが

こんな 破天荒で 

可愛らしくて 魅力的な人だったとは

 

見知らぬ過去が 

『らんまん』と 一冊の図鑑を介して 

今の自分へとつながった

 

いろんな意味で

楽しませてもらった

『らんまん』

 

牧野博士 あなたの図鑑

こんな田舎町でも

大切に 読まれてましたよ