JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

ノコギリは必要

 

引っ越しを控え

持っていくものと 要らないものの 

分別に勤しむこの頃

 

これが思いの外 大仕事

我が家は 物が多いんです

なんてったって 引っ越しのたびに 

「開かず」ならぬ「開けず」の 段ボール箱が増えていく

 

これまで それでもやってこれたのは

なんだかんだ言って、古い社宅は収納(押入れ)が多い

その上 外部倉庫がモレナク付いてくる

 

だが、今回の引っ越し先には

外部倉庫もベランダ倉庫もなく

内部収納だって 心許ない

築浅は嬉しいが、収納が少ないのは盲点だった

 

これはどうにか 容積を圧縮しない事には

立って寝ることになってしまう

 

モノか それとも 睡眠か

そんな切迫感から

後生大事に持ち続け 人生を共にしてきた品々に

「すまぬ さらばだ」を 断腸の思いで伝える日々

 

別れを惜しむ私の横で

無情にも ぽいぽい捨てていくのは 夫

買う時も早いが 捨てるのも早い

 

これ、何回使ったん? というような

スーツ用の大きなバッグやボストンバッグ、小物まで 

処分コーナーに 次から次へと置いていく

 

夫のものだけなら 私も文句は言わないが

私の持ち物にまで口を出してくる

まあ、捨てられない上に長く使い倒す 私の

物が荷物の大半を占めている、ことは

認めざるをえないのだけれど

 

そんな夫の シビアな視線が向けられたのが

画材

さすがに油絵の具は とうの昔におさらばしてある

けれど 夫には使い方すら想像できない

摩訶不思議な物品が まだまだ山ほど

ボックスの中に収まっている

 

何十本もある 刷毛や筆 

水彩絵の具を全色置いたパレット3枚 

ここらへんは 抱き抱えて 死守

 

そこで 夫の目に留まったのが

用途が極端に限られたドライバーや 

血迷って買ったグラインダー

「これはいらないよね、使わないよね」というお言葉に 

至極真っ当なご意見と おさらばすることに

ただ、意見が大きく分かれたのが

ノコギリ

 

ホビー用ノコギリだから そんなに大きくはないけれど

歯もちゃんとしていて カバーも付いてて 

まだまだ きちんと使えるお利口さん

 

けれど 夫は「危ない」「怖い」「痛い」「小さすぎる」

「後からちゃんとしたのを買えばいい」

と言って譲らない

 

このノコギリにだって 思い出があるんです

juniperberry.hatenablog.jp

大学入試の二次試験で 

ギコギコやった こっ恥ずかしい思い出が…

どんなに恥ずかしくたって 

それはそれで 大切な思い出

 

「まだまだ使えるよ」「使いやすいサイズなんだよ」と反論を試みるが

「いつ捨てるの」と見るたびに言われ

さすがに「もう勝手にどうぞ」 と 任せてしまった

ごめん ノコギリ

 

そして先日のこと

さよならリストに加えられたのが

すのこを組み合わせたような 棚

案外大きい

可燃ごみとして出すには 解体しなくては

さあ ノコギリが必要だ 

しかし もうない😱

 

ほらーっ😤 と夫に言ったら

スーパーで買ってきてくれたのが

私のノコギリの1/2サイズで

ナタみたいに一辺にしか歯がない

ノコギリと呼ぶのも憚られる

えせノコギリ

「あれ? ちゃんとしたのを買うって

言ってませんでしたっけか?」

 

こんなんで切れるんかいっ💢

でもやるしかない

いや、やってもらいましょうっ

 

夫にノコギリを任せ、私は抑える係に

ぎーこぎーこぎーこ 

気が遠くなるほど 進まない

そのうち 夫

「手が痛い こんなのできるわけがない 

永遠にかかっちゃうよ」 と言い出した

 

ええい、軟弱者め

「もういい、私がやる」と

不本意ながら えせノコギリを奪い取った

 

田舎のど田舎の とてつもなく古くて

どっかこっか不具合ばかりの家に 住んでいた私

直すのにいちいち 大工さんをお願いしていたら 

すっからかんに なってしまう

 

使っていない部屋は 

父の大工部屋と木材置き場になった

土日になると 父は日曜大工で 家のそこここを直し

お父さんっ子だった私は

お手伝いと称しては

ちょろちょろまとわりついては邪魔していた

 

ノコギリを手にした私の頭の中に

「押して切ろうとするから切れないんだよ

ノコギリは引く時に力を入れるんだ」という

父の声が 響き渡る

 

父がやっていたように 木の板を脚で押さえ 

引く 引く 引く

あっという間に いっちょ上がり

夫が目を丸くして 「得意なんだね」

と 言った

(いやいや、得意とかではなく

単に ノコギリ歯の角度と力の加減の問題です)

 

ちなみに私、大工仕事は 概ね苦手

釘打つはずが 指を打つ不器用さ

 

なのに

 

変に手を出し 今後の えせノコギリ作業を 

自ら 招き寄せてしまった悲しさよ

 

それにしても エセさんはやっぱり疲れる

悔しいけど 真っ当なノコギリ 買ってくるかなぁ