JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

ちょっと自由すぎた (今週のお題 「試験の思い出」)

 

今週のお題「試験の思い出」

 

ヨーロッパ話をちょっとおやすみいたしまして

今回はお題「試験の思い出」について書かせていただこうと思います

 

 

ある夏のこと 仕事に間が空いたこともあって

ふと絵を描きたい と思った私

絵を習おうと 行ったところが

(何を勘違いしたか) 美大の受験予備校 夏期講習

 

ところが、予備校なのに

意外や意外 描くことが無性に楽しくなって

半年通ってみることにした

 

予備校だから勿論 クラスメイト(みんなまだ18、19歳)は

みんな受験する

そこで私も 周囲に流され

何年振りかで 入学試験を受けてみることにした

願書を出したのは  東京芸術大学 

 

東京芸大一本狙い といえば なんかかっこいいけれど

受かる訳ないのだから 

たくさん受けても受験料が勿体無い

 

あと、万が一、万が一ですよ

万が一まぐれで 私立を受けて 

受かったとしても 学費高すぎるし と

必要のない心配までした結果の

受験校選定 一本勝負

 

センター試験を受け

実技の一次試験は国技館

 

すごい人数の若者たちが 画材携え 

枡席から椅子席までずらーっと並んでいる様は

ただただ壮観

 

一次の実技課題は鉛筆デッサン

カリカリサクサクと 青虫が葉っぱを食べるような音が

広い国技館のそこかしこから聞こえてくる

 

その中で

皆んな頑張ってるなー と

まん丸い目で キョロキョロしている私

 

まず、国技館に入ったこと自体それまでなかったし

天井高いー

 

 

そして 忘れた頃にやってきた 

 

結果発表

 

え? 嘘⁉️ えーっ❓⁉️❓

なぜか 一次試験に受かっていた

 

何が起こった!?

 

私も驚いたが、予備校の先生も驚いた

 

ということは

二次試験 受けなきゃじゃん

だけど対策なんてしてない

どころか 受ける事自体予定してない

 

だけど、予備校であるからには

先生は指導しなくちゃならない

(下世話な話ではあるが

合格者の数は 先生のボーナスにも大きく関わってくる)

 

はっきり言って、それまでに描いた油絵の数なんて

指で数えられるくらい

どうしたらいい

 

そこで、困りに困った予備校の先生から出た指示が

「お前に油絵は無理だ オブジェで行け」

 

オブジェ!?

なんのこっちゃ

 

以前 課題で作ったオブジェが

先生の印象に残っていたらしい

 

そう、絵では勝負できないから 

なんかキャンバスの上に作ってこい ってこと

 

そして来ました 二次試験当日

会場は上野の東京芸術大学

こちらにも 国技館同様 初めて足を踏み入れます

 

自分の受験番号に割り当てられた部屋に行き

芸術系大学の教室も、普通の大学と同じなんだなー

なんてことを考えながら 

受験番号毎に割り振られた

床に貼られた区画指定のテープの中に座る

 

そして

開始! の合図

周囲の未来の芸術家達が キャンバスに真剣に向かっている中

私一人だけが 課題を無視して

 

発泡スチロールを切ったり

ダンボールに色を塗ったり

ボンドでペタペタ貼り付けたり

砂をぶっかけたり

 

同じ部屋で試験を受けていた人たちは

変なやつと一緒になっちゃったなあ、 と思ったに違いない

一人でギコガコうるさいし

 

 

結果は勿論 不合格でしたけど

ご一緒した受験生のみなさん 急に訳のわからないものを作り始めて

ごめんなさい