<ウン十年前、まだ若かりし頃のお話です>
春には日本に帰国する
カナダの厳しい冬を過ごしながら
さてどのルートを使って帰ろうか と考えた
選択肢 1つ目は
来た時と同じく
アメリカ大陸上空から太平洋を飛行機で飛び 成田空港
2つ目は
大西洋経由でヨーロッパに入り
電車と飛行機を使って 新潟空港
3つ目は
カナダを電車で横断して
アメリカ大陸西海岸から飛行機で 成田空港
長時間フライトか、それとも2回に分けるか
カナダ内陸経由か、それとも大西洋、ヨーロッパ経由か
本来なら、安さとフライト時間を考え 選択肢3 しかないはず
ところが 急に色々悩み始めた というのも
実は そろそろ帰国という時に 臨時収入が🎶
叔母が
姪っ子全員に(生前贈与という形で)お金を渡すと決め
カナダにいる私に送金してくれたのだった
キツキツの生活をしていた私に
思わぬところから 嬉しい臨時収入
(叔母さん ありがたく使わせていただきます🥲)
本当だったら 先のための貯蓄が
ベストチョイスだったのかもしれないけれど
桁の変わった口座の額を見ながら
これで1ヶ月海外を見てまわろう と思ってしまった
この頃ヨーロッパは 歴史の大きな渦の真っ只中にあった
今行かなくては
この目で実際に見てその場の空気を感じてみたい と
日頃、石橋を叩いて壊す系の私だというのに
この時は なぜか思い切りが良かった
何はともあれ 方向性は決まった
一番多くの国を通って帰国するルートにする
カナダからパリに入り
(モントリオール=パリ間のフライトは、フランス語圏同士ということで料金がお手頃🎶)
ヨーロッパを東に向かって横断
飛行機で新潟空港へ
これに決めた
ただ このプラン 誰に言っても
若い女の子が一ヶ月以上も一人旅?
この時期に!?
たった一人でロシア!?
信じられない!
やめとけ 危ない 何考えてるの?
ただ 本人は 周囲から何を言われても
大丈夫だよぉ と のんびり
カナダに来る前のドキドキとは真逆で
なぜかこの時は 決めてから 全くゆるがなかった
一人で海外に出ると、肝が据わるのかもしれない
初っ端からいろいろあったし
そうとなれば 早速準備にとりかかる
東西ヨーロッパは
行ってから宿を探しても大丈夫そうだけれど
問題はロシア
この国だけは ビザはもちろん
バウチャーも手配しなければならない
利用するホテルや電車のチケットを 予約購入して
ここと、ここに行きますよ それ以外の土地には足を踏み入れませんよ と
スケジュールを相手に知らせておく
ロシア国内で「勝手な真似は許さないよ」ということらしい
予定に入れていない場所に行ったり
国の施設にカメラを向けただけで 警察に捕まる と言われた時には
さすがにちょっと不安になった
それに、シベリア鉄道で何日も寝起きするのも なんかちょっとね
シャワールームあるよね? 食事大丈夫だよね?
ロシア専門の旅行会社に行って
どんなもんでしょ? と相談したら
綺麗なロシア人のお姉さんが 私の心配を一笑にふした
「シベリア鉄道は最高よ シャワーもあるし、設備も食事もスペシャル
心配なんてこれっぽっちも必要ないわ」
そうか、あれだけ名前の知られているシベリア鉄道だもの
ひどいわけないよね
オリエント急行みたいな感じなのかな
と、映画で見たオリエント急行の内部装飾を思い浮かべた
やだ、ゴージャス! ジーンズで行くつもりだけど、大丈夫!?
綺麗目のワンピースを一枚持って行った方が良いかなあ
私の心配や不安は 見当違いの方向に舵を切った