JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

ヨーロッパ横断 シベリア鉄道で日本を目指す!その10 シベリア鉄道の車掌さん

 

シベリア鉄道に車掌さんは2人

(もしかしたら他の車両には 

別の車掌さんがいたのかもしれないけれど)

シベリアからハバロフスクまでずっと同じ人だった

今でも二人の名前を覚えている

 

一人は昼間担当の 小柄で落ち着いた アレクセイ

そしてもう一人は夜間担当の 

陽気でお酒好きな ミーシャ(ミハイルの愛称だそう)

 

彼らがいなかったら 私のシベリア鉄道の思い出は

思い出したくもない黒歴史になってしまっていたかも 

そのくらい とってもとっても 頼れる存在

 

鉄道に乗り込んだ時

アレクセイが車内を案内してくれて

あると信じきっていた 

シャワールームがないと知った私

 

「髪を洗いたいし体も拭きたいから お湯を使わせて!」

と身振り手振りを使いながら ダメを承知で頼んでみた

 

普通、シベリア鉄道の全行程を

途中下車もせず移動なんて するものではないらしい

 

だというのに 

二十代の髪の長い(その頃は背中くらいまであった)

女の子が 一週間近くもお風呂に入れない

という酷な境遇(自分で蒔いた種だけど)に 陥っているのを見て

 

優しいアレクセイおじさん(その時 多分30代後半)は 少し考えてから

 

巨大なサモワールを指差し

このお湯を好きなだけ使っていいよ と言ってくれた

そして、車両にたった一つしかないトイレを

時間を決めて私専用にしてあげる と

約束してくれたのだった

 

ありがとう! スパシーバ! 恩にきます

 

アレクセイのおかげで 一つ目の難問については 

最悪の事態を回避できた

 

 

ところで

アレクセイが車両の中を案内してくれた時

ここから先は行っちゃいけない、と言った車両があった

それは1等車と3等車 

要するに、行っていいのは

自分のいる2等車とレストラン車両だけということ

 

ちなみに シベリア鉄道には 1等、2等、3等とあって 

カナダのロシア専門旅行会社の(例の)お姉さんに 

上から2番目=2等車をお薦めされた

 

2等車は4人用のコンパートメント

二段ベッドが向かい合わせで二つ

ドアには鍵をかけることができる

 

アレクセイ曰く 1等車は

「マフィアが乗ってるから近づくな」という

 

007の映画の影響か、その時は なんかとっても信憑性高く聞こえてしまって

レストラン車両に行っても、

1等車の乗客と鉢合わせしないかドキドキ

 

シベリア鉄道に乗り合わせた人の中にも

同じことを言っていた人がいたから

あながち 全くの出鱈目ではなかったのかもしれない

 

そして3等車は 行ったらお金を盗まれるから と

「2等車の中だけだよ」 と念を押された

 

言いつけを守ったからかどうか

何事もなく シベリア鉄道の旅程を過ごすことができた

 

ところで もう一人の車掌さん

ミーシャは夜勤担当

誰もが寝ている時間帯に ひとりで勤務していたから

お酒を飲んで寂しさを紛らわせてたのだろう

夕方から登場するミーシャは

いっつも真っ赤な顔をして 陽気に歌を歌っていた印象がある

 

二人とも 何かというと

紅茶を飲まない? クラッカーもあるよと

1日に何度も様子を見にきてくれた

 

高校生くらいにしか見えず

ロシア語を まともに喋れない日本人

これは面倒をみてやらなくては と

二人とも保護者のような気持ちで 

私のことを見てくれていたのかもしれない