JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

初海外2日目にして見知らぬ人と真夜中に長時間ドライブした話 その2

 

1からの続きです

 

既に連絡が行っていたらしく

インフォメーションのお姉さんが

きょろきょろしながら歩いている私に声をかけてくれた

 

チケットをひっくり返したり まじまじと見て

他の人を呼んできて何か相談していたが

私の方に向き直り

 

チケットは問題ないし、便の番号も合っている

なのにどうしてこんなことになったのかしら

 

フレデリクトン行きの便は今日はもうないので

タクシーで行ってね

あなたの荷物は先にフレデリクトンについているので

ホテルに運ばせます

 

荷物は私と違って 便名を間違えずに搭乗したらしい

 

 

かくして

カナダ入国初日 

見ず知らずのおじさん(タクシードライバーさん)との

長時間ドライブとあいなったのでありました

 

セントジョンからフレデリクトンまで車で2時間

 

運転手さんは40代後半から50代くらいに見える

体格の良い、黒髪のカールした髭面の男性だった

確か、瞳も暗い色で 熊に似てるな と思った

もしかしたらフランス系カナダ人かもしれないし

移民としてカナダに来た人だったかもしれない

カナダは移民大国だというのは 後から知った

 

一方のおじさんは

アジアから来た無口な小娘をタクシーに乗せたのは初めてなのか

それとも元気付けようとでもしてくれていたのか

 

2時間強、ずーっと喋りっぱなし

 

ここはね、熊とか鹿が出るんだよ 目が光るから見ていてごらん

ときどき道に飛び出してくるから気をつけないと

暗い道だろ フレデリクトンまではずーっとこんなだよ

カナダは初めてかい

僕には子供がいてね、まだ小さいんだ 可愛いんだよ

休日には家族でキャンプに行くんだ

 

みたいなことをずっと喋り続けている

 

カナダ人は寡黙な人が多いのかと思っていたのに

初っ端から予想を裏切られた。

 

一方で助手席に座った私の頭の中は

海外でタクシーに乗る時に気をつけることってなんだったっけとか

危険な想像がぐるぐる渦巻いて

うーとかあーとか答えるだけで精一杯

 

おしゃべりな運転手と

運転手から離れられるだけ離れて 黙り込む私

 

(航空会社が呼んだタクシーだから、

危ないことなど何もなかったのだけれど

その時は心底不安だった)

 

夕焼けが綺麗だった空にいつのまにか星が出て

車は森の中の道をひた走る

光は車のライトのみで

暗闇から 急に うわーっと何かが出て来そうなのも怖い

ホテルに着いたのは夜の12時近かった

その頃になって やっと

 

「ありがとう こんな遠くまでごめんなさい」と言った私に

 

おじさんはこれからまた 来た時と同じだけの時間をかけて

セントジョンに戻るというのに 嫌な顔もせず

 

「大丈夫、航空会社がたっぷり払ってくれる

カナダにようこそ! 楽しい時間を過ごしてね」

と言って笑顔で去っていった

 

どっと気が抜けた

 

少しでも気を許せば痛い目をみるのじゃないかと

一人で緊張しまくっていたけれど

実は すごく沢山の人のサポートで

約束の日に無事着くことができた

 

その上

 

航空会社が

私が当初予約していた安ホテルから

ランクアップしてくれていた

 

大きなプールなどの設備に

ゴージャスで広い部屋と豪華な家具

 

だけど、緊張からくる疲労で満喫する余裕もなく

そのままベッドに入って寝てしまったのが

 

悔しーい