JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

すっころんだ思い出 その3

これまで その1 その2と 私が

どれだけ よく すっ転ぶか について 

書いて参りましたが 今回は その

3回目

 

1回目は 血だらけの小学生

すっころんだ思い出 その1 - JuniperBerry’s diary

2回目は 京都のど真ん中で着物

すっ転んだ思い出 その2 - JuniperBerry’s diary

 

そして

3回目の今回は 「夜のかっこつけ」

で ございます

 

私が京都に越してきたのは2011年 6月

その年の3月に 夫に京都異動の辞令が出て

私は仕事の都合もあって 夫から3ヶ月程遅れて 

6月末、京都に引っ越して参りました

 

なんと言ってもあの年は 3月 4月 5月と

いろいろあって 疲れていたのか

頭が混乱していたのか 知らないけれど

 

俳優さんの名前を思い出すのが 極めて苦手になって

自己嫌悪に陥っておりました

実は ドイツで貧血と診断された時も

同じような症状

けれど それ以来 鉄剤は飲んでいたから 

鉄分不足というわけじゃない

 

これはもう、物理的に

脳内の血流をUPさせるしかない!

 

走ることに決めました!

 

もともとは 走るのなんて 大大大嫌いな私

高校時代は 仮病を使って体育をずる休みし

大学の部活でも どうにかして

ランニングをサボれないかと

知恵を絞って(失敗して)いた

 

そんな私だから、走っている姿が

カッコいいはずがない ので

 

人目を忍ぶ事にした

 

かっこ悪いフォームを 闇夜に隠し 

せっせせっせと走って 

ナタリー・ポートマンだとか

ケイト・ブランシェットだとか

ヘレナ・ボナム・カーターだとか

ようやく

スラっと出てくるようになった頃だった

 

家のある丘陵地は 上に行けば行くほど 

電灯が少なくて暗くて人気が少ない

必然的に 走るのは 

家から住宅地をどんどん下って

駅方面まで行き、そっから登り坂を

よっこらよっこら戻ってくる

行きはヨイヨイ 帰りは息切れ ルート

 

その「行き」を 気持ちよく走っていた時のこと

せっかくだから商店街まで走ろうかと

信号のある 広めの道路に差し掛かった そこに

前方から 70代平均くらいのご婦人方が10人程

一塊になって ゆるゆると

信号を渡って来るのに かち合った

 

その頃 体が慣れてきたのもあって

ちょっとだけカッコつけ

彼女たちを大きく迂回し 弧を描き

ちょっと体を斜めに倒したりなんかもして

勢いつけて走り避け

信号を渡り切って いつもとはと違う場所から

歩道に…と思った時

 

けこっ とつま先が何か(後から確認 縁石だった)に当たり

よろっ と体勢が崩れ 

おっとっと と 見栄を切るような格好になりつつも

どうにか 倒れずに済んだぁ 

(平衡感覚はある方なのですよ

平均台から片手逆立ち降りできますの) 

やったね私 と 思いきや

目の前に 電信柱が大写しで迫ってくる

 

電信柱に顔面殴打を回避すべく

マトリックスも真っ青な 瞬発力で

体を捻った

 

けれど

私は ネオではない

脳血流を気にする 一介の小市民

新人類どころか

時代に乗り遅れ感しかない 

旧人類でさえある

 

案の定

右足首を捻って 

左足首を捻って

両足首 ぐねぐね と飴みたいになって着地

 

「うおぉっとっとぉう」 という

獣のような声を聞いた おばさま方が 

私の方を 何事と振り返り

「あなた、大丈夫?」と

口々に声をかけてくださる

 

ここで泣き言を言っては 女がスタる

「大丈夫です ありがとうございます」 と

引き攣った笑顔を 顔に貼っつけて

よたよたながらも

火急的速やかに 一番近くの曲がり角を曲がり 

姿を隠し しゃがみこんだ

 

痛い 痛すぎる それも両足

その上 いつものコケ方だったら 

徐々に引いていく痛みが どんどん強くなっていく

(熱く熱された鉄の靴をはかされた

シンデレラの継母の気持ちが

想像できそうなくらい 痛かった)

まずい まずいよ どうしよう

 

まずは だ。

どうやって帰る?

助けを呼ぼうにも スマホなんて持ってきていない

いっそのこと、このまま足を投げ出し 

この場に座り込んで

帰宅する夫が通りかかるのを

待とうかと思ったほどだ

(が、それはあまりにも恥ずかしすぎる)

 

選択肢は唯一つ 

小刻みな歩幅で よったよった

いつもなら 息切れしながら7分のところを

25分以上かけて 半泣きになった顔を隠しながら 

自宅に戻った

 

翌日整形外科に行ったところ

案の定の 両足捻挫

 

捻った時の様子を聞いた ドクターが

「ぷっ」 という顔をしたのを

見逃しては いない