モスクワからレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)へは
寝台特急「赤い矢号」に乗って8時間ほど
日の暮れた駅の構内は肌寒かった
寒いのとお腹が空いたのとで
本場の 具がたっぷりあつあつのピロシキを
はふはふ言いながら頬張った
その脇を まだ若い兵隊さんの集団が
談笑しながら歩いて行く
ごく普通に歩いているのが不思議だったけど
その当時、ロシアで兵士の写真を撮ると 捕まるというのも聞いていたので
カメラはもちろん、あからさまにそちらを見るのもなんか怖くて
こっそりと目だけで追った(そっちの方が胡散臭い?)
私の乗る電車がホームに入ってきた
「赤い矢号」は つやつやぴかぴかの真っ赤な列車
内装も赤が基調
一等車に指定席をとっていたからか
それまでの列車と比べたら ずっと快適だった
時世柄かそれとも 旅行客が少なかったのか
2人用コンパートメントに私一人だった
***
レニングラード 現在のサンクトペテルブルクの滞在中は
北国らしく曇り空が多かったけれど
時折 小さな青空が顔を見せてくれて
それが街をとても綺麗に見せてくれた
ここに来た一番の目的
エルミタージュ美術館に 人の姿は数えるほどしかなかった
広くて展示数も膨大なので ガイドさんをお願いした
彼はロシアの歴史の専門なのか
それともロシア絵画と歴史とが切り離せないからか
私の興味とはちょっと違うところに フォーカスされてしまって
面白かったけど、そこだけがちょっと残念
レニングラードの街中を ぶらぶらと散歩していると
ネヴァ川につながる細い川が至る所を流れていて そこに
意匠を凝らした小さな橋がかかっている
お気に入りの橋を探しながら ずっと散歩
川沿いの街は なんで こんなに魅力的なんだろう
映り込み? 水の流れる音?
それとも人類に刻み込まれた記憶のせい?
レニングラードの建物は皆 巨大で且つエレガント
敷地が広大なので パリで感じたような圧迫感はなかった
(そんなに沢山読んだわけではないので、単にイメージですが)に
ひょこっと入り込んでしまいそう
レニングラードはとても魅惑的な街だった