JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

お医者さんに「だってあなた、恥ずかしいでしょ」と言われた話

 

 

好きなのに 報われないって事ありませんか

 

アイルランドのホリー厩舎に通い始めて何ヶ月か経った頃

それまで乗っていたポニーから

黒くて背の高い、かっこいいお馬に変更になりました

 

黒一色の渋イケメンとも言えそうな彼ですが

乗馬界のスタンダード、去勢馬です

 

ですので

美しい雌馬が近くを通ろうとも

乗り手を無視して ふんふん追いかけるような

お行儀の悪いことはいたしません

 

ただ、だからといって 

私の言うことを聞いてくれるというわけでもない

 

黒馬氏になってから

レッスンは 障害飛越オンリーになりました

 

30cmや50cmでころころ落ちていた私ですが

この頃にはどうにか1m障害を跳べるようになっていました

(というか、馬が跳んでくれていたんですけれど)

 

ただ、1m障害1つならまだいいんです

 

それが2つ連続の障害になると もういけない

ジャンプ 3歩ほどパカパッ ジャンプ ってな感じになって欲しいのに

 

2つ目直前で黒馬左折 

そればっかりで 

 

ある時などは

私一人でぽーんと障害を越えました

 

とうとう黒馬氏と連続障害を

クリアすることは 最後まで できませんでした

 

歩数のコントロールができていなかったせいなのだ

ということはわかってます

そうです、跳べなかったのは私のせいなんです

 

黒馬氏のせいではありません

だって、好きなんだもの(名前忘れたけど)

 

 

黒馬氏との苦い思い出はそれだけではありません

 

一度など、のんびりみんなで談笑していた時

急に黒馬氏が飛び跳ねて 気を抜いていた私は落馬

なんのことはない 

木にかかっていたジャケットが風で落っこっただけなのですが

 

ほんと

ぼんやりするなっていつも言われているような心持ちでした

 

 

いろいろある黒馬氏とのエピソードですが 

彼の私に対する

一番の仕打ちといえば……

 

ある日のグループレッスンでの事

黒馬氏に乗って、たてがみをいじりながら障害を跳ぶ順番を待っていた時

右手首がチクっとしたような気が

 

 

そして翌日

痒くて痒くて目が覚めた

鏡を見ると 体に赤い発疹がぽつぽつと10箇所ほど

 

もしかして昨日のチクッとしたのが原因かと思ったけれど

赤い発疹は右手首にとても小さいのが1箇所しかない

 

何か変な感染症だったら嫌なので

すぐさま近くの皮膚科に行きました

 

すると お医者さん

 

「これは Horse Flea だね」

 

何ですかそれ?

家に帰って辞書を見ると

 

そっくりそのまま 「馬ノミ」 でした

 

大慌てで部屋中を隈なく掃除し

前日に着ていたジャケットからバッグまでパンパンし

 

もらってきた軟膏を毎晩毎晩

お世話になっていた家のおばさまに塗ってもらいました

 

ところが、赤い発疹は治るどころか

その数をどんどん増やし、

そのうち背中全体を覆うように

 

背中はぼこぼこ

その上 とてつもなく痒い

壁と見ればどこでも背中を擦り付けたい

 

ぜんぜん良くならない

見立てが違っているじゃないの?

もう何が何だかわからない

 

 

ところがある朝

さあ、ベッドを整えようと掛け布団をどけたところ

シーツの上に黒い点が

 

その大きさ5mm強

 

ん?

 

目を近づけてみると

もぞもぞ動いているではないですか!

 

ぞわぞわぞわー

 

毛が逆立つって どういう状態かわかりました

 

ですが、ここであったが100年目

意を決して

 

ティッシュでむんずと掴み

ビニール袋に入れて二重にして

靴を履いた足で思う存分上に乗った(ごめん)

そして袋はゴミ箱へ

 

寒い時期だったからでしょうか

それともお腹がいっぱいすぎて動けなかったのでしょうか

やけにすんなり捕まえられてくれました

 

これが

世に言う ノミのジャンプみたいなことをされて

見失ったりしようものなら

私の部屋でバルサン焚くしかなかった

アイルランドバルサンは あるのだろうか)

 

おかげさまで

その日以来 発疹が増えることはなく

無事解決とあいなりました

 

あれだけ掃除したのに

なぜベッドにいたかと言いますと

推測するに

床と壁しか掃除機をかけなかったからかと

 

こちらでは、家中を靴で歩き回ります

泥だの砂だのだらけの汚れた床に使う掃除機を

ベッドに使いたくなかったんです

 

馬ノミと何日も同じベッドを使うのと

靴についた土や砂を吸い込んだ掃除機に顔をこすりつけるのと

どっちを取るかと言われたら

 

うーん やっぱりどっちも嫌

 

後日、AIU海外旅行保険会社)に提出する書類を受け取りに

例のお医者さんの所に行きました

 

病名欄を見たところ

Horse Flea とは違う名称が入っています

 

「どういうこと?」 と聞きますと

 

 

「だって、馬ノミに刺されたなんて 恥ずかしいでしょ」

 

 

これだけ馬に囲まれた生活を送っている

アイルランド人でさえ 人に言うのを憚られる事だったのか と

ダブルでショックを受けたのでした