フランシス・ハーディングの
『呪いを解く者』(2023年11月30日 初版) を
読んだ
500ページを超える 長編だったけれど
先が 気になって気になって
あっという間に 読んでしまった
舞台は 架空の国 ラディス
そこには 奇妙な生き物達の棲む
沼の森がある
森に生息している「小さな仲間」は
虐げられ、傷つき、恨みを心の中に育てる
人々に 「呪い」の卵を 贈り物として与える
(魔法の力に似た)呪いをかけられた 人間は
姿を変えられたり 望まぬ力を得てしまう
主人公は「呪い」を解きほぐすという
不思議な力を与えられた 少年
ケレン
そして呪いを受けて 鷺に変えられ
ケレンによって
元の姿にもどされた 少女
ネトル
15歳の二人が
呪いの 元となった
人々の 恨み 憎しみに
分け入り 解きほぐし
人々の怒りや悲しみの
本質に向かって
荒地を薙いでいく
呪いをかけた者と
呪われた者とを
縦糸横糸にして進んでいく
読者の奥深いところを
揺り動かす物語
***
「呪い」
こう書くと 特別な物
ファンタジーの産物に 思えるけれど
もしかしたら 類するものは
この世界に 溢れているのかも
しれないですね
呪いを解く者が
この世界にも いたらいいのに
***
登場人物の
「呪い」にまつわる
心の糸の からまりが
繊細に丁寧に 描かれて
ファンタジーラバーでなくとも
存分に楽しめるのではないかな
もちろん
摩訶不思議な生物や
精霊や妖怪? も どしどし出てきて
ハリポタワールド好きの
心もばっちり掴むはず
人の心と 信頼と 意志の物語
再読したい本が
また 一冊増えた