JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

性善説は素敵だけど 「犯罪機会論」と「犯罪原因論」

いつもいつも

思っていることがある

私だけじゃなくて

みんな思っているんだろうな

って思っている ことがある

 

***

 

今から何年も前の事

夫の海外赴任が決まった時

夫の会社で

奥さんたちを集めた

海外帯同者研修があった

 

子供の送り迎えや

バッグの持ち方 から始まって

家の中に避難部屋を作るとか

宗教の違いみたいな話もあって

その時期の日本からしたら

かなり極端に思える話も 多かった

 

それでも その講習の影響もあって

ドイツでは

家のドアの内側に パンサーをつけた

 

パンサーというのは

外から開けることができないように

内側から 太い鉄の角材を渡して

つっかえ棒を作り

(鍵だけでなく)ドア自体を

まるまる壊さない限りは

侵入できないようにする装置

 

内側からパンサーに鍵をかけると

ガシャンガシャンと

硬質な音がして

金融機関の金庫みたいに

ドアを守る

 

今の日本の一般家庭で

こんなふうに 家を

防御しているところって

あるんだろうか

多分ほとんどないんだろうな

 

さすがにドイツでも これは

やりすぎだとわかって

ドイツ国内の 引っ越し先までは

持っていかなかった

(というか ドア本体に取り付けたものなので

外すとドアに穴があいちゃう)

 

けれど こんな強力つっかえ棒を

ごく普通に購入できて

取り付けられるのって

さすが海外だなと思った

 

「犯罪機会論」という考え方がある

文字面からはわかりにくいけど

犯罪に至る きっかけをなくす

または 犯行に関わる

リスクやコストを高くして

犯罪を未然に防ぐという考え方

 

ドライブレコーダーの取り付け

防犯カメラや 二重ロック

コンビニなどの トイレに貼ってある

「綺麗に使ってくださってありがとう」の

張り紙と 清潔なトイレも

この類に入るかも

 

ニューヨークのジュリアーニ市長が

犯罪撲滅のために 採用したのが この

「犯罪機械論」や「割れ窓理論

(壊れた窓が一つあると他の全てが壊される

=小さな犯罪を見逃すことが地域を荒廃させる)

 

けれど日本は

まだまだ「犯罪機械論」とは真逆の

「犯罪原因論」が主流みたい

 

「犯罪原因論」は

犯罪の 原因を追求して

犯罪者の 性格や境遇に フォーカスし

犯罪者は 特別(普通の人じゃない) という

スタンス

そして

日本では「応報主義的刑罰」

(=犯罪の報いとして罰する)

で 再犯の防止を 図ってる

 

そして いまだ日本に根強いのが

被害者特性の重視

「そんなところに行ったのが悪い」とか

「拒否すればいいのにしなかった」みたいな?

これは 犯罪者の 心理に フォーカスする

「犯罪原因論」と ベクトルが同じ

 

世界では 「犯罪原因論」には

効果がないとされて

もうずっと

「犯罪機会論」が主流らしい

 

「犯罪機会論」では

被害の原因を

被害者の 特質でも

犯罪者の 特異性でもなく

「生活環境」に 求めるようになった

 

これは 日常の 空間の中に

犯罪の 原因が 潜んでいるという考え方

だから それらの原因を摘むように

街を作り

道具を作り

システムを作る

 

「犯罪機会論」は 

刑罰で脅すのではなく

予防を重視する考え方

 

ちなみに 「犯罪機会論」で大切なのが

「侵入のしにくさ」と

「監視する目」

 

そう考えると

以前の 日本の社会 

そのもの なんじゃない?

 

ああそうか

だから 日本は 性善説システムなのね

昔の日本は

隣近所のつながりが 密で

よそ者を すぐに見つけ

地域全体で 噂話という形で

情報を 共有し 

新参者を 監視する

 

意図せずして 

「犯罪機会論」に基づいた

防犯を行っていた

 

だけど

それを日本人の 日本の特質と

捉えてしまったから 

社会のありようが 大きく変わって

人々の目を 期待できなくなった

現代に至っても

意識を 変えられずにいるのかも

(少しずつ 変わって来てはいるけれど)

 

安心安全神話の日本が漂流してる