JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

内腿のシシャモ でかい彼女とのいろいろ その4

これまでのお話

蹄鉄付きの蹄がかすって 打撲 

ドクターストップ出たけれど 

競技会に出ることになっちゃった

それも お初の競技会

どうやって馬に乗る? と思ったけれど

乗ってみれば なかなかご機嫌

いっっったーいっ😭 でかい彼女とのいろいろ その1 - JuniperBerry’s diary

無理です! でかい彼女とのいろいろ その2 - JuniperBerry’s diary

馬に乗って家に帰りたい でかい彼女とのいろいろ その3 - JuniperBerry’s diary

 

コーチに 足の位置っ! と怒られて

ぶらぶらさせていた 脚を馬の腹に沿わせた

こうしただけで 先程までの 優雅なのんびり感は 霧散

背筋までビビッと伸びて トレーニングモード

 

馬のウォーミングアップ ファーストステップが終わり

次は もう少し速度を上げて トロットに

 

そう、これこそが 私が一番恐れていた もの

 

トロットは 日本語で言えば 速足

 

馬の歩様にはいくつかあって

 

並足(ウォーク:Walk) 

 

速足&軽速足(トロット:Trott) 

 

駈歩(カンター:Canter)3本脚が接地してるか 

もしくは全ての脚が空中 を繰り返す 

ゆったりとした動きで乗っていて気持ちがいい 

ちなみにドイツ語ではギャロップ(Galop)で 

英語とはちょっとずれている

 

襲歩ギャロップ:Gallop)  全速力 浜辺外乗で経験 

馬にとっては最も効率的らしいけど

私にとっては 「止まれるか?」とドキドキな乗り方

 

ちなみに並足は

歩く時(並足)だと 脚は一歩ずつ

右後肢 右前肢、左後肢、左前肢の順に進み

2本もしくは3本の脚が 常に地面と接地している

 

トロットは

右前肢と左後肢 左前肢と右後肢 がそれぞれ同時に着地

 

トロット(速足)って 上下振動が大きいんですよね

脚が地面についていない 空間期があるので

大袈裟に言えば

どっしん ふわっ どっしん ふわっ

って感じで 

振動が私のお尻に直接響きます

 

その上

馬の背中が 斜めに傾きを変えながら 

上下左右に

くねくねと複雑に動くので 

座りっぱなしだと

動きについていくのがとっても大変

 

この振動が直接お尻に響かないように乗るのが

軽速足(rising trott / standing trott)

騎乗者が馬の動きに合わせて 

鐙(あぶみ)の上で 立ち座りを繰り返す乗り方

 

馬の背中にも 騎乗者のお尻にも

とっても優しい 私の大好きな乗り方

 

というのも ある程度乗り慣れないと

座ったままの速足は (馬にも人にも)お尻にとって拷問

ひどい時には 振動が胃にまで伝わって

それは 

飲みすぎた翌日の グロッキー状態に似てる

 

なので 本来なら

コーチに 軽速足で と言われたら

「はいよっ まってました」 と喜ぶのですが

 

この時私は 鐙(あぶみ)を使えない

その状態で軽速足をやるということは…

 

支えるものなしに 

馬の背の上で 立ち座りをするという事

どうやって やれっちゅうねんっ

 

そう ここで大活躍する(酷使される)のが 内太もも

内太ももで馬の胴体を挟み 上体を支えて 

立ち座りするしか 方法は ないっ

 

こんなんだったら 座りっぱなしの方が

どんなに楽か

 

先ほどの のんびりゆったり王様気分は どこへやら

太ももがつりそうになって 「もう無理ー」と座っていると

コーチの 大声が降ってくる

 

プライベートレッスンとはいえ

アリーナは貸切ではないので

馬の駆ける足音や 他のコーチの声が混ざって

ドイツ語が母国語ではない私は 

コーチの声が聞き取れず

指示をスルーしてしまうことも 度々

 

そんな時、コーチは両手を頭の上で振り回し

地団駄踏んだり ぴょんぴょん跳んだりしながら

顔を真っ赤にして

「JUNIPERRRRRR !  ◯◯しろぉおおおおおっ」 と

大声を上げる

 

その声に 私はびくっとし

びびりの彼女も反応して 

駆け出し(逃げ出し)そうになる

 

ドイツ語が苦手な こんな私で 

両手振り回させちゃって 

ごめんね コーチ

 

ちなみに、コーチは

第二外国語にフランス語を選んだそうで 

ドイツ人には珍しく 英語を話さない

 

筋肉的に一番辛かったのは 

この軽早足だった

 

通常 ししゃもと言えば ふくらはぎ

ところが

この練習のおかげで 

内股に美味しそうなメスシシャモよろしく

くっきり筋肉の線ができた

 

その他にも

馬場馬術の 規定メニューの練習でも

指示を足で出すことができないので

体重移動や体の向きだけで 指示を出さなければならず

それには 基本姿勢ができていないと

全く お馬に伝わらない

 

10mサークル 5mサークル 3mサークル 

サーペンタイン(アリーナを定点を通って波型に移動)

ピルエット(後肢を軸にして回転)

ハーフパスやレッグイールディング(馬の肢を交差させて斜め移動)

などなどを

歩様を変えながら

姿勢と体重移動、ちょっと手綱だけで

お馬にわかってもらう

 

競技会で鞭は使えないので

鞭で踏切肢を伝えることも できない

 

姿勢と 特に太腿の弱さは 私の最大の弱点

足を使わずにトレーニングすることで

図らずしも 私にとっての弱点克服プログラムになっていた

 

コーチはそこまで見越していたってことらしい

さすがすぎて 何も言えません

 

競技会までの2ヶ月間 

みーっちりと

「競技会にぴったり」 とコーチの言う

びびりのお馬さんに おんぶにだっこして

私の弱点克服期間となりました