JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

ドイツの冬事情(果てなき攻防)

 

ドイツの冬は寒い

 

寒いから

朝は暖かいベッドの中で

可能な限りほっこりゆっくりしていたいのに

 

ドイツ(私の住んでいた地域限定かもしれないけれど)では、

家の敷地が面している道路の雪かきは義務。

 

もし、もしも

雪かきしていない我が家の前の道で

誰かが転んで怪我でもしようものなら

その責任は道に面した家の住民に課せられる。

 

ひいいいーーーーー

 

私が住んでいた地域では、

住宅地の道路は歩道が一方にしかないところが多い、

そして、家の玄関を出ると歩道がある。

プラス、我が家は角地に建っているから 敷地に接する道路が長い

 

人々の出勤、通学前に終わらせるべく、

冬の間の寝坊は厳禁。

毎朝、雪かきに精をださねばなりません。

 

ただ、

私が住んでいた地域は

南ドイツのように、メートル単位で

雪が積もることはなかったのは

不幸中の幸い。

 

降った雪は、

日中気温が上がると溶け始め、

夕方になると凍り始める。

 

溶けて凍ってツルツルになって

誰かが滑って転ぶなど

絶対にあってはならない

 

毎朝毎朝、

私は人々の安全と

我が家の心の平安のため、

雪をよけ、塩をまく

 

 

ドイツの冬はそんな感じに、忙しく、

寒くて寒くて寒い。

 

 

外出するときは

手袋二重、ソックス二重

もちろん帽子にイヤーマフにマフラーもして

防寒パンツの下に毛糸のスパッツを履く。

それでもやっぱり寒い。

 

逃げ出すことなく、多くの人々が

ドイツに住み続けているのは、

それはひとえに、

 

ドイツ人が、

信じられないくらい寒さに強いのと、

セントラルヒーティングなる

非常に優れた暖房設備があるから。

 

と私は信じている。

 

 

外は激寒でも、一歩家の中に入れば春爛漫。

 

知り合いのドイツ人は

(私からしたら、あと1、2度設定温度をあげてほしいかも、くらいの)

家の中で半袖で過ごしていた。

 

急に宅配のお兄さんがドアベル押したらどうするんだろう。

彼は半袖のままドアを開けるに違いない。

なんたって、ドイツ人は寒さに恐ろしく強い。

 

私が滞在していた頃、

燃料価格が急に高騰したことがあった。

 

寒がりの私たち夫婦二人も、

設定温度を例年よりも少し抑えることにした。

 

暖房費込みの家賃だったから

気にせず、暮らすこともできたけれど、

それはさすがに気が引けた。

 

隣に住む大家さんの家と我が家の暖房はつながっていて、

両方を制御するパネルやタンクは、

なぜか大家さんの家ではなく、

我が家の地下にある。

 

毎年、本格的な冬になる前に、

大家さんがチェックのために我が家を訪れる。

 

タンクが壊れたりしようものなら……

想像したくもない。

大家さんに感謝

 

ところが、その年は、

大家さんがタンクチェックと称して

やけに頻繁に我が家にやってきた。

 

そして、その度に、

我が家側の設定温度を

 

5度近く勝手に下げていく。

 

 

いやいや、これ以上温度下げるんですか? 

 

 

そうでなくとも、ラジエーターに空気が入って

いつのまにか部屋が寒くなってること多いのに……。

天井の高さも家の広さもドイツ人仕様の

だだっぴろい家なのに……。

 

これでも、例年よりも設定温度低くしてるんです。

 

私たち夫婦はそんな温度に適応しておりません。

これより下げたら凍えます。

 

 

回されては回し返し、

回されては回し返し

 

 

初めは私に見えないように、大きな体で隠すようにして

こっそり設定温度を低くしていた大家さんも、

3回目には、私の面前でどうどうと。

 

そして、対する私も、にこにこ笑顔で、

「ほんと、今年は寒いですね」

とか言いながら、ダイヤルを戻す。

 

 

この軟弱者! と思ってただろうなー

すみません、寒いの嫌いで。

 

 

だけど、

寒さに対する体の作りと感覚が、大家さんとは

根本から違うんです

 

多分。