JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

夢のお家のお庭の木

 

子供達や動物たちの 胸踊る冒険の舞台となる

絵本の中の 小さいお家

 

想像の中の そのお家の庭には

林檎の木がある

 

青森出身ではありません

実家の庭に林檎の木があるわけでもない

この日本で 庭に林檎の木のある家って

あまりないような気がします

果樹園ならともかく、庭ですもん

 

なのに なぜか 庭の木といえば

幼い頃から

林檎の木 を思い浮かべていたような

 

繰り返し読んだ 絵本や童話の挿絵

そのイメージが ある種の原風景のようになって

刷り込まれているのかも

 

 

実は 庭に林檎の木のある家に 住んだ事があります

それは 2回目のドイツで住んだ 2軒目の家

ポーチの真っ正面にたっているのは 

絵本に出てくるような 

子供がお絵描きで描くような 

可愛らしい りんごの木です

 

一番下の太めの枝には

子供達が遊べるように

ブランコが下がっていました

 

私の体重はとてもじゃないけれど 支えきれないので

そのブランコは取り外してしまいましたけど

 

その家に引越して

庭に林檎の木のある生活がはじまりました

夢のお庭のある生活です

 

けれど、何事にも二面性があるもの

春や夏は 葉っぱがどんどん成長して

虫さんたちにとっては食事の季節

木の下を通る時は要注意

 

そして、林檎の木は

太陽の光を求めて どんどん上に伸びていく

けれど、大きくなればなるほど 管理が大変になるし

日当たりを必要以上に遮ってしまう

だから枝の刈り込み作業に 一日仕事

 

秋は枯れ葉がわっさわっさと落ちてきて

毎日毎日 枯れ葉集め エンドレス

 

もちろん  秋には林檎の実がなります

ただし、小ぶりなドイツの林檎は 

日本の甘くて大きい 林檎とは全くの別物

中でもこの庭の林檎は 別物も別物

 

ふじ、トキ、シナノスイート、津軽王林

身近な林檎のどれとも

似ても似つかぬ 酸っぱい実

 

100%おまけして 一番似ていると言えば

 紅玉?

そのままでは とっても酸っぱいけど

アップルパイにすると とっても美味しい 

あの紅玉

を、「渋く」した感じ

 

酸っぱさと渋さのハーモニー

それが我が家の庭の クッキングアップル

 

その上

収穫の季節には、私たちが収穫するよりずっと先に

小鳥たちが(それでもまだ)

美味しいところを 食べてしまうので

私たちの口に入るのは 

地面に落ちた林檎ばかり

それも、鳥や虫たちが味見した痕のないものは ない

 

初めの一、二年は頑張って 拾って 洗って 

汚れを落として

ジャムを作っていたりしたけれど

労力の割に 過食部が少なすぎる

 

とうとう 

食べられるにまかせ

落ちるにまかせ 

ただ粛々と掃除をする

というスタイルに落ち着きました

 

そんなふうに書くと、

全然夢の庭じゃないじゃないの って 

思われてしまうかもしれないけれど

 

けれど、やっぱり

庭に木のある生活は

ほっとする

 

春には 柔らかそうな黄緑色の芽が吹き出し

夏には白い花が咲き 心地よい日陰を作ってくれる

冬の 庭が真っ白く雪に覆われる頃

林檎の木は葉を落として寒そうだけれど

小鳥やリスが 枝に吊り下げておいた

Meisercnoedel(小鳥用の餌団子)を

賑やかに囀りながら 懸命に突いている

その様子を 窓からぼーっと眺める幸せ

 

年を経るごとに

落ち葉掃除や 

虫くい林檎の 酸っぱ渋い味 

そんなのも全部含めて

林檎の木に どんどん愛着が湧いてくる

 

そして、ドイツの家を思い出す時

林檎の木は必ずそこにあって

 

手間はかかるし大変なとこもある、でも 大好き

人も動物も植物も 愛情を注ぐものって 全て

そんなものかも しれないですね

 

***

 

ちなみに 

「果物のなっている絵を描いてください」 という

心理実験があるのですが

授業の中で生徒同士

被験者になって絵を描いたことがあります

 

その実験で

紙いっぱいに 林檎のみならず小鳥にうさぎまで

しっかりとした線で描いた私

 

(以前 別講義でこの実験の評価について習っていたため

こんな絵はどう? なんて思って描いたから

厳密な意味での実験にはなっていなかったんですけど

それにしても)

 

先生のコメントは

ショックすぎて ここに書くことはできません