JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

家の中の海

この前のこと

朝起きて

タオルケットを 畳んだ途端

ぷぅーん と 飛んでいく

奴がいる

 

そんなところに潜んでいたか!

 

道理で 夜中になんか

痒かった 

目が覚めては ぽりぽり掻く を

繰り返させた 睡眠の質低下の

張本人

 

仕留めてやろうと思ったけれど

慌ててメガネをかけた時には

見失ってしまった

 

それからというもの

日夜を問わず

なんか 血を吸われている

 

悔しい

 

だけど 子供の頃は

こんなもんじゃなかった

実家には網戸がなかったし

それどころか 隙間だらけだったから

蚊は勿論のこと

カエルだって蜘蛛だって

なんでも入り放題

そういえば コウモリが

入ってきたこともあったっけ

 

特に夕方以降は 蚊の独断場

肌のでた箇所を狙いくる

奴らの攻撃を 避けるべく

ぺしっぱしっと

自分の腕や顔や足をひっぱたく

 

狙いがあたれば

細い足をつまみあげ

ごめんね、と言いつつゴミ箱へ

 

それでも 引っ叩く勢いは緩めない

 

この頃は あまりの暑さに

夏の盛りに 蚊に悩まされることは

あまりないけれど

 

子供の頃は

今ほど 暑くはなかったし

夕方になれば

天井の高い田舎家は

肌寒くて 

カーディガンを 

羽織るくらいだったから

夏休み時期の 田舎家は

蚊にも居心地が良かったのかも

 

そんないろんなものが

やってくる

夏の我が実家には

夜寝る前の

ルーティンがある

 

子供達が寝る前に行う

お仕事 それは

蚊帳つり

 

蚊帳に付けられた

ループを持って

夏の間だけ 四人家族の寝室になる

二十畳の広間の

四角にひっかける

 

法事の時でもなければ

使わない 

だだっぴろい

部屋一面が 

真っ青な 蚊帳に覆われる

 

部屋の真ん中に 寝転べば

網目がゆらゆら

 

まるで 水中から

水面を眺めているよう

泳げない私は

蚊帳の中で 水中遊泳気分

 

時折 大きなスズメ蛾や

カマキリやセミ

光につられて 入り込み

蚊帳にとまった彼らを

お腹の方から眺めるのも 楽しい

 

寝ている時だけは

蚊帳に守られ

外から聞こえる

梟の くぐもった鳴き声や

カエルの 鳴き声を子守唄に

青いゆらめきを 眺めながら

夢の世界に入ってく

 

子供の頃の

幸せな

夏の思い出

 

 

それは

蚊に刺される心配の

ない 平和な夜