夏の イベントといって
思い出すのは
海水浴より
キャンプより
バーベキューより
花火大会
子供の頃
バチ バチ
ドン
バババババ
打ち上げ花火の
音が 聞こえ始めて
しばらくしてから
ゴザをもち
水筒をもち
座布団をもって
のんびりと
家族で連れ立ち
近くの学校の校庭に行く
そこには 既に
黒くシルエットになった
人の姿が あちこちに
空いている所を 見繕う
そういえば 子供の頃
場所取りなんて
しなかったような
高い建物も少なかったし
広場も豊富にあって
人も のんびりしていたから かな
場所を決めて ゴザを敷き
弟と私は 座っていたと思えば
足を投げ出し 寝転んで
口をぽかんと開けて
見惚れたり
走り回ったり
居眠りしたり
時々 家に戻ったり
***
今年も
花火の色と 音と
夜風に漂う
硝煙の においが
蝉の声や
麦わら帽子や
縁側や
夏の沢山の思い出と 一緒に
大切にされることが
当然で
好きなように振る舞って
疑うことを
知らなかった
子供の頃の自分を
ほんの一瞬 つれてくる