JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

夏の私

むんっとして 

青くてほの苦い 草いきれ

 

寝転んだ背中にぺったりとついた 

畳の跡

 

青い空の前にすっくと立つ 

真っ黄色のひまわり

 

井戸脇に浮かべた 

子供の頭より大きな スイカ

 

ホースからほと走る

水で作る 庭の虹

 

母お手製の玉ねぎ入り 

甘めのつゆでいただく おそうめん

 

蚊帳の中から見上げる 夜

 

庭から採ってきたばかりの 

蜜の匂いの 桃

 

昼寝しながら聞く 

父の作る物語

 

扇風機にタオルをかけて 

弟と顔を突っ込んで大声で歌う 歌

 

ござを敷いた前庭に 家族四人で寝転んで見る 

満点の星空と流星群

 

ノウゼンカズラと黒揚羽

 

ふと思い出したように 

耳に飛び込んでくる 蝉時雨

 

真っ黒に日焼けした脚と 

虫取り網

 

母手作りの 黄色いハイビスカス柄の 

ノースリーブのワンピース

 

湧き上がる入道雲と 夕立と 

雨宿り

 

塀にひっそりと咲く 烏瓜の白い花

 

家で聞く 盆踊りの 

賑やかな声と太鼓の音

 

縁側で家族で見る 線香花火

 

日焼けして 

白い地図になってむけた 背中

 

ニセアカシアの 草笛

 

昼間 広間に寝転んで見上げる 暗い天井

 

すうーっと線を描く 蛍の薄黄色い光

 

弟を背負った母と父と 手を繋ぎ歩く 

夜の田舎道

 

母と一緒に選ぶ お盆に飾る花

 

電線に びっしりとまった

赤蜻蛉

 

つば広の麦わら帽子に 

手拭いを首にかけた父の背中

 

天に向かって青く伸びる稲穂を 

風が撫でていく 見渡す限りの水田

  

蚊の来襲に 庭にはったテントから 

弟と一緒に逃げ帰った夜

 

村の子達と フナやカワニナをとった 

用水路

 

山盛りの枝豆と 井村屋の水羊羹 

口いっぱいに頬張るとうもろこし

 

親戚中が集まって 思い思いに過ごす大広間

 

夜更けて聞こえる ウシガエルの太い声

 

どれもこれも 触ろうとすると 

夢の中みたいに

遠いけど

だけど 多分

私の夏は 彼らで できている