JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

夢の話1 夜の電車

お題「ずっと覚えている夢」

 

 

あまり夢を見るタイプではなくて

夜寝て 起きたらもう朝だった という事が多い

 

見る夢も 遠足に遅刻する夢とか

試験で問題がチンプンカンプンで 脂汗を流すとか

その時々の とっても現実的な心配事が夢に出てくるという

それこそ 夢のない夢を見ることがほとんど

 

そんな私でも 夢スタンダード(?)から外れた

記憶に残っている夢が いくつかある

 

今回はそれらの中で

子供の頃 繰り返し見た夢の事を

 

***

 

夢の中もやはり夜

まるで宮沢賢治の世界に入り込んだような 

真っ暗い夜なのです

 

目の前に線路が一本 

鉛色した線が うっすらと黒一色の中に浮かび上がって

それの向かう先は 

もっともっと真っ暗い

漆黒の闇の中に 溶け込んで

目を凝らしても見えない

 

私は 線路脇の なぜかバス停の横に立っている

隣には弟を背負った母

 

どこに行くのか 

行き先は 知らない 

けれど 不安でも心細くもない

一人ではないから

 

いつの間にか電車が停まっていて

入り口が目の前に 口を開いている

弟を背負った母がタラップを上がる

 

私も一緒についていこうとするけれど

足が動かない

待ってよと呼ぼうとするけれど

声が出ない

 

ドアは音もなく閉まり

電車は 漆黒の真ん中に向かって

線路の上を 音もなく走っていく

 

見る間に小さくなっていく

ぼんやりと薄く発光する 

卵の白身みたいな 

薄黄色した 電車の車窓に

外にを向いて立つ 母が見える

その目はまっすぐ遠くを見ていて 

私が取り残されている事に気づいていない

 

「待って!」 という自分の声で目が覚める

 

***

 

こんな夢を繰り返し繰り返し見ていた

弟はおぶわれていたり、手を繋がれていたり

その時々で違ったけれど

線路も 発光する薄い光も あらぬ方向を見ている母も

いつも同じ

 

この夢を見ていたのは 

丁度弟が生まれて何年か経った頃

 

心理学的にみたら 

とってもわかりやすい夢なのかも

 

心理学にエディプス・コンプレックスというのがあるけれど

親子の愛情を巡ってのそれとは また別に

兄弟姉妹間における 典型的な心理的な葛藤に 

カイン・コンプレックスがある

 

母によれば 幼い頃の私は

弟をとっても可愛がって 

弟と結婚するーと 言っていたらしいけれど

 

その言葉が生まれる場所よりも もっと心の深い所で

両親に悟られることなく

不安や寂しさを強く感じていたの だろうな 

 

この夢のことを思うと 

幼い頃の私を 

抱きしめてあげたく なったりする