JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

ものもちよいの

 

お題「10年以上愛用しているもの」

 

 

10年以上使っている、となってすぐに思いつくのは

革靴2点と革ジャン

 

物もちの良い方なので 他にも10年20年

もしくはそれ以上選手はたくさんいて

今も使っている家具は 結婚前一人暮らしをしていた時

家具屋さんを巡り

選びに選んで 大切に使ってきたものだし

流行は気にしない方なので 洋服も一度手元に迎えたら長いお付き合い

 

ただ この皮革3点 特に革ジャンには思い入れがあって

 

夫と結婚後すぐ 渡欧して 

年明け、休暇でフィレンツェに旅行

 

明日はもうドイツに戻るという フィレンツェ滞在最終日

ショーウィンドウの前を通って一目惚れしたのが

綺麗で優しい色のシンプルな革ジャン 

襟と袖口がニットになっている

 

「ねえねえ、これ素敵じゃない」

と 夫の手を引っ張ってお店に入り 

ロバート・デ・ニーロをもっと丸顔にして

彫りを浅くした感じのおじさんに 

「ショーウィンドウの革ジャンを見せて」と頼んだ

 

近くで見てもやっぱり素敵

そして 革が厚めで重い分、縫製もとても丁寧

優しい革の色は、使っていくうちに綺麗な飴色になりそう

 

ただ 試着させてもらうとサイズが大きい

袖口のニット部分に 指の先まですっぽり入ってしまう

「うーん、大きいな こういうのは ぴったり着た方がかっこいいよ」と

丸顔デニーロおじさんが言う

これよりワンサイズ小さいのは? と聞くと 

これが最後の一点 だって

 

季節的に仕方ないよね

もう冬も終わりだもの

 

しょんぼりと店を後にした

フィレンツェは中世からの伝統で 皮なめし産業が盛ん

行くところ行くところに バッグや服、靴など 皮革製品を扱う店舗が目立つ

 

イタリアといえば国を代表するような

ブランドが名を連ねているけれど

日本でも手に入るものを買う気はない(まずお値段 高すぎ)

トップブランドには足が向かなかった

 

けれど

せっかくフィレンツェに来たんだから

お土産に革のものを買いたいよね と

靴をみたり バッグをみるけれど

やっぱり目は革ジャンを探してる

そしてさっきの革ジャンと比べてる

 

夫を引っ張り回したあげく

これぞというものに出会うことができなくて

その日はそのままホテルに戻った

 

ベッドに寝っころびながら

やっぱり あの革ジャンが忘れられない

このままだと夢に出てきそう

(もしかしたら覚えていないだけで 見ていたかも)

 

大は小を兼ねる

今 連れ帰らなかったら 後悔する

 

翌朝 空港に向かう前に 急いでお店に行って

昨日の丸いデニーロおじさんに 

やっぱりください と息せききって伝えた

 

「いいのかい?」

「おっきくてもいいです! 大切にします」

 

おじさん的には ぴちっとジャストサイズで着てほしいのだろうけれど

そこはドイツ人とは違って 「他のにしなさい」とゴリ押ししなかった

 

重くて大きな紙袋を手に

意気揚々と 空港に向かった

 

その革ジャンは 2度目の欧州滞在でも

そして今現在 日本でも大活躍

 

パンツでもスカートでも

ジーンズでもワンピースでも 

あれから○○年プラスされた 私の年齢でも

なんでも

「よっしゃ 任せとき」 と受け止めてくれるのは

ちょっとだぼだぼサイズのもつ 底力

 

この冬も何回も袖を通し 

春の声が聞こえ始めたあたりで お手入れに出した

これからも まだまだずっと よろしくね