中学の入学祝いに 父がくれたのが
PILOTだったかセーラーの
万年筆
臙脂色のボディに 金色のペン先の
万年筆は すぐさま私の
お気に入りになった
家で 父はいつでも
黒い軸の万年筆を使っていた
その父から
万年筆は書けば書くほど
自分の癖に合わせて
書きやすくなっていくのだと聞き
私も真似して 何かというと
万年筆で書くようにしていた
年賀状や 手紙を書くときは
勿論
メモまで 万年筆
そのおかげで
とっても書きやすい
お気に入りの一本になり
どこへ行く時でも バッグに入れて
連れ歩いた
ちなみにインクの色は
父をまねて ブルーブラック
それは今もずっと 変わらない
ところが
ある時 万年筆が机の上を転がって
止める間もなく 落下
それも ペン先の方から
(万年筆は 落とすと 重い方
=ペン先 を下にして落ちるんですって)
こういう時って
時間がコマ送りみたいに流れる
おろおろして 拾った 万年筆は
ペン先が
猛禽類の 嘴みたいに
綺麗に クイッと
曲がってしまってた…😢
無理すれば
書けないことはないけれど
すごく変な 持ち方を
しなくちゃならないし
以前の書きごこちとは 雲泥の差
どうにか 復活できないかと
お店に聞いてみたけれど やっぱり無理で
泣く泣く さよならすることになった
それが 私の 初万年筆
その後 ドイツで
トルコ石みたいな 青いボディの
万年筆に 一目惚れした
ところが
購入当時からインクが 漏れて
書くたびに 指が真っ青
今は ペンケースに入れられて
引き出しの
肥やしになっている