ドイツに住んでいた時に
一目惚れした 万年筆
モンブランの マイスターシュトゥック
(Montblanc meisterstück)
モーツアルト ソリテール コーラル
(Mozart Solitaire Coral )
小ぶりで 持ち運びにちょうど良さそうな
この万年筆
深みのある真っ赤な ボディに
ゴールドが
とっても美しくて うっとり
ところが この万年筆
小さいくせに お値段はジャイアント
ショーウインドウ前を
無理よ無理無理 と
ため息をつきながら通り過ぎるのが 常
ある時 買い物ついでに
アンティークフェアを
ひやかしていたら
なんと
あの 真っ赤なモンブラン が
万年筆、ボールペン、シャープペンシルの
3本揃いで 売りに出されていた
わお! と 目が釘付け
3本セットなのに お値段は1本分
その上 オリジナルボックス入り
しかしだ
よく見てみると
万年筆のペン先が 曲がっている
安さの理由はこれね
元の持ち主は 私みたいな
おっちょこちょいだったらしい
ボールペンと シャープペンシルは
ちゃんと使えるみたい だったけれど
モンブランは やっぱり万年筆
その後もずっと憧れ続け
(悩むまでもなく 買えないけれど)
路面店のショーウィンドウの前を
眺めながら 通り過ぎているうちに
とうとう 限定数が完売になって
店頭に飾られなくなった
手に入らなかったものへの 執着って
強いんだなあ と 実感するのは
今でも 万年筆 といって
頭に浮かぶのは
吸い込まれそうな
真紅色の 小ぶりな
ちなみに 思い切りの悪い私が
今 愛用しているのは
これまた小さくて
ちびた鉛筆みたいなシルエットの
真っ赤な漆塗りの
ボールペン
こんなところにまで
あの時のモンブランの 影があるのねって
今頃になって気づきました