あれは 小学校中学年くらい
それまで 家で本を読んでばかりだった
私だったけれど
学年が上がるにつれて 行動範囲が広くなり
友達と過ごす時間が多くなって
何かというと 「友達が」を連呼するようになった
判断基準が それまでの両親から友達に
変わる時期
なにが きっかけだったかは 忘れたけれど
「そんなに言うなら 友達の家の子になっちゃいなさい」と
母に言われた事がある
子供の頃に 両親からかけられた言葉って
そんなにシリアスな 状況ではなくても
案外 心の中に根を張るもの
その時、「友達は大切に決まってるじゃない!」
と 思っている自分がいたけど
その一方で
もしかして私って 親不孝?
普通の子は そうじゃないのかな とも
母は 自分が言ったことなど
ころっと忘れていたけれど
私の心には その後も
ひっかかっていた
そのひっかかりが 解消されたのは
心理学の授業をとってから
それも 一番最初の
心理学概論 で あっさりと
それは 児童期の子供の発達段階で
依存対象を 親子関係から
友人関係に移行させていくというもの。
あの時の私は
ごく自然な心理的発達の
最中にいたってことだ
そして大切なのは
その段階が 心の発達や人格形成
(両親からの心理的自立への一過程)にとって
不可欠だということ。
なーんだ、普通だったんだ
なくちゃならない段階だったんだ と
ほっとした
(この頃は 少し変わってきているようだけど)
だけど あの時期の両親にとって
何でも言うことを聞いていた
「良い子」が
急に 両親は二の次
友達一番 反抗期になったのだから
ショックだった だろうな
もし あの頃
子供の発達段階について
親も子も知っていたら
「こんなはずじゃ」と無駄に傷ついたり
過剰反応しちゃったりすること
なかったのにね なんて思う