JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

バイエルンの海で襲われた:ヘレンキームゼー城(Schross Herrenchiemsee)

 

お題「動物に襲われた記憶」

 

 

エキゾチックアニマルと一緒に暮らしていると

「痛いっ」とか「ぎゃっ、驚かせないでよ」という状況には慣れっこで

数え上げたらキリが無い

 

ただ エキゾチックアニマルと言えど

野生の種を捕獲した訳ではなく ブリード種なので

少なくとも2世代以上は人間と一緒に暮らしてる

 

こちらとしても 飼育本を読み、経験者の話を聞き

こんな習性があるのね、と

事前に知識を頭に入れているから

急に攻撃を受けたとしても

穴のあいた手をさすりながら

そうね、声をかけずに急に近づいた私が悪うございました と

理由づけも反省もできるし 今後に活かすこともできる

 

けれど

野生動物となると これはまた別

 

住んでいる地域によるとは思うが

私と野生動物との関係は かなり希薄で 

出会ったとしても それは「目撃」レベル

 

うっかり目が合うことがあったとしても

向こうのほうから

「攻撃」されることなどなかった

 

のだけれど

 

それが起こったのは 

ドイツ、バイエルン州の南のほぼ端っこ

プリーン・アム・キームゼー

(Prien am Chiemsee)に暮らしていた時のこと

 

キーム湖(Chiemsee)はラムサール条約登録地

バイエルンの海(Bayerisches Meer)とも呼ばれてる

湖自体も観光名所だけれど

目玉はキーム湖のヘレンインゼル(男島)に建つ 

ヘレンキームゼー城

フラウエンインゼル(女島)の修道院

 

ヘレンキームゼー城を建てたのは 

かの ノイシュバンシュタイン城で有名な

ルートヴィヒ2世 

 

ルイ14世を崇めていたルートヴィヒ2世

ヴェルサイユ宮殿を そっくり真似っこして

作り始めたはいいけれど 

一部分しか完成せず 未完成に終わった

 

という割には

彼が実際に建てたお城の中では 一番大きく

最も費用がかかったそうで

この城の建設は 財政を破綻させ 

ルートヴィヒ2世は幽閉された

そんないわれのあるお城

 

せっかくキーム湖畔に住んでいるのだから

行かないという選択肢はない

 

夫と一緒に

ドイツの田舎の風景の中を のんびり波止場まで歩き

フェリーで島に向かう

(夏のバカンスシーズンには小さな機関車が

プリーンの駅から波止場まで運行している)

 

着いてみれば あらまあ こんな田舎の

それも島の上に こんな壮麗な と

びっくりするようなキラキラのお城

 

ただ キラキラのお城の中で

一番印象に残ったのは

建築途中で放棄されたのがよくわかる

工事現場だったけど

(なかなか他では見ることができないので)

 

壁も床も、窓や扉の枠も荒削りで 装飾もまだ何もない

お化粧を施す前の 素顔を見ているような

そして当時の人々の息遣いが 感じられるようだった

 

ヘレンキームゼー城を漫喫してから 湖畔に戻り

せっかくなので 湖の周囲を散歩することにした

 

水鳥がゆったりと湖面に浮かんでる

まあ、なんて穏やかで平和な昼下がり

 

そこに白鳥が2羽やってきた

新白鳥城なんて作っちゃった

ルートヴィヒ2世のお城ですから

そりゃあ いますわよね

 

1羽がもう1羽をよちよち追いかけて

愛の告白かしら、もう少し近くで見たいわと

近づいて しゃがんで 

こんにちはと手を出したところ

 

なんと 1羽がグエッともギョエっともつかない

奇妙な声を出し

長い首を びゅんっと伸ばした

 

指噛んだっ

 

ちょっと離してよっ と引っ張るのだが

白鳥の嘴って、歯(というかギザギザ)がありまして 

ガシッとハマって外れない

 

餌なんて持っていないんだから

離してくれればいいものを

なぜか意地になって 引っ張り合い

白鳥って肉食だったっけか?

 

私の手と白鳥の頭

「どうぞこれからよろしく」と

アメリカ風に 

ぶんぶん振りながら 力強く握手しているような状態に

 

どうにか 振り切りはしたものの

逃げる私を 逃してなるものかと

白鳥が

グアーっとかジャーっという声を出しながら

(よくある白鳥のトランペットのような声ではない)

水かきをぺたぺたさせながら 追いかけてくる

 

怖いの何のって😱

 

ドイツの他の地域だと

人慣れしていて

噛んでくるようなことはなかったんですけど

ここの白鳥は 虫の居所が悪かったんでしょうか

 

いやー 本気で逃げました

夫が 面白がって写真を撮ってましたけど

どこにしまったかな

 

あー 怖かったっ