
荻窪の叔母のところに
短期間お世話になっていたことがある
なかなかインパクトのある叔母で
エピソードには事欠かないのだが
その叔母が 私を
お寿司屋さんに連れていってくれた
私はワサビが好きで
醤油も好き
席に座り
実家にいるときのように
醤油皿にとぽとぽと
底がうっすら隠れるくらい
醤油を注した
したら叔母に
「醤油はね 自分が使い切れるくらいを
注すものなの。
それに わさびでお醤油を
どろどろにしない
田舎者って思われるわよ」
と 言われた
なるほど と
単純で純真だったその頃の私
それ以来
お醤油をちょびちょびと入れ
何回も付け足して
もちろん
わさびはお刺身に
ちょんちょんっとつけるだけという
にわか お上品な(と思われる)食べ方を
実践して来た
だけど実は 私は
わさびを溶いて トロッとしたお醤油が
大好きだし
お刺身だって
端っこをお醤油にちょんちょんって
つけるだけじゃなくって
とろりっとつけるのが好き
もう何年も何十年(?)も
粗忽者と言われたくないがために
叔母の教えを守って来たけれど
ある時
うっかり
醤油をわさびでどろどろに
してしまった
あちゃっと
思ったけど そのまま
つけて食べたときの
あのおいしさは!
そうだ、私は
このドロドロワサビの
お刺身醤油が
大好きだったんだ と
再認識
田舎者って思われて 何か問題ですか?
ぼろぼろこぼしているわけじゃなし
手掴みで食べるわけじゃなし
人様に迷惑をかけず
嫌な思いをさせる程でないのなら
別に わさびを盛大に溶いて
何が問題!? と なるほど
久々味わう大好きな味だった
私には
もう一人 叔母がいて
世界中を股にかけているような
人だったけど
「マナーを気にしすぎて
味がわからくなるより
美味しく食べるのが一番よ」
そんなふうに言っていたのを
思い出した
それ以来
私がお刺身をいただくときは
わさびでドロドロ醤油
お寿司をいただくときは
お醤油たっぷり
他にどう見えるかばかり
気にして食べてたら
どんなに美味しいものだって
美味しくなくなっちゃいますもん
これでよしっ