JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

最高のクリスマスプディング(アイルランド)

アイルランドで暮らしていた時

乗馬学校で 仲良くなった男の子

ジョシュの ご両親が

遊びにいらっしゃい と 

ご自宅に招いてくれた 

 

クリスマスシーズン間近の

アイルランドは どんよりとした曇り空

その下の大きな平屋の

家の窓からは

温かい光が漏れていて

窓辺にはクリスマスのイルミネーション

 

ママと二人の男の子達

(名前はジョシュとマシュー

将来が楽しみなイケメン君達)と一緒に

お茶をしたり ゲームをしながら

(パパはお仕事)

楽しい時間は

あっという間に過ぎてしまった

 

さて そろそろお暇の時間 という時

ママが ドアの陰から 私を手招いた

「ジョシュとマシューに見つからないようにね」

 

こそこそっと キッチンに入ると

 

彼女が出してきたのは 

半分に割ったソフトボール

二回り程大きくしたくらいの大きさで

ぴちっと布に包まれていた

 

「家によって レシピが違うのよ」と

言いながら 彼女がゆっくりと 

丁寧に広げた 布の 

中から 出て来たのは

焦茶色の 艶々の物体

 

彼女はそこにナイフを入れて

スライスを切り出し 

お皿に乗っけて

上にちょっとブランデーを垂らして

私の方に差し出した

 

それはイギリスの

クリスマスの 定番

「クリスマスプディング♡」

 

「Juniperはクリスマスを

ドイツで過ごすでしょ だから

ひと足早いけど メリークリスマス」

 

彼女のクリスマスプディング

ずっしりと重くて 

中にはナッツやレーズン、チェリー

そして 彼女ご自慢の杏がぎっしり

 

スパイスの香りが

口の中いっぱいに広がって

パンペルデュみたいな 

モチっとした食感の 

ずっしりとした プディング

すごくすごく美味しかった

 

彼女はクリスマスプディング

丁寧に 包み直しながら

 

「寝かせれば寝かせるほど 

美味しくなるの

クリスマスの日に 

もう一度蒸したら 出来上がり

本当はお酒を入れるんだけど

ジョシュもマシューも まだ小さいから…

今度はクリスマスに 遊びに来てね」

 

と言ってウインクした

 

クリスマスシーズンを待たずに 

抜け駆けで味見されて

切り取られた 

チーズみたいになっちゃったけど

 

彼女が味見させてくれた

あの一切れが

これまでで

一番の

クリスマスプディング