JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

侘びしき コスタ・デル・ソル

 

 

 

お題「海の思い出」

 

ドイツに行って最初の年末年始

久々の大型休暇

どこに行こうか、と話して

夫が行きたいと言う

スペインに行く事に決めた

 

コスタ・デル・ソルのリゾート地

マルベーリャに滞在して

グラナダ、ミハス、ロンダ、カディスなどの

周辺の観光地をめぐるプランを立てた

 

マルベーリャでは ランクの高いホテルが格安で

やったね! と小躍りして予約

 

ところが

ホテルに着いてみれば

休暇で訪れた客は私たちばかり

ほとんどが 保養で長期滞在している

年配の人だった

 

これが ヨーロッパの人気観光地!?

ヨーロッパのシーズンオフの洗礼を受けた

なるほどね ホテル格安の謎が解けた

 

土産物店のみならず

お店というお店が 閉まってる

レストランも営業終了

クルーズも波が高くて出航しない

ナイナイづくしの

コスタ・デル・ソル マルベーリャ

 

人の姿がそっくり消えた町は

一昔前の 日本のお正月のよう

 

南国の印象のあるスペインの

それも南の端とはいえ 冬はやっぱり寒い

ひんやりとした冬のスペインの風を受け

襟を立て 空きっ腹を抱えて 

レストランを探す

(観光地だから食べるところには困らないよね、と

ホテルの夕食を予約していなかった)

 

こんなに侘しい 年末年始

こんなに盛大に鳴る お腹を

抱えて過ごす年末年始

初めてだ

(あ、卒論書きで大学に残っていた年を除く)

 

二人で トボトボ歩きながら

せっかくだから 海岸まで歩く事にした

だって ここはコスタ・デル・ソル

太陽海岸

ここだけは行っておかなくちゃ

それに 

少しは気持ちも晴れるはず

なんたって 太陽海岸だもの

 

空きっ腹の二人が たどり着いた

太陽海岸は ものすごく広かった

海は果てまで続いてた

空も果てを越えて大きかった

空と海との境界線がわからない

大きくて だだっぴろい 

色を刻々と変える スクリーンが

目の前に広がっていた

 

足元の砂まで 夕日を浴びて

空と海と砂浜と

全部全てが一つになる中に

ぽかんと 浮かぶ 私たち

 

二人で膝を抱えて座り

犬を連れて歩く人々の姿や

友達同士で連れ立って歩く人影を ぼーっと眺めた

空には 刷毛で一掃きしたような

薄い雲が夕日を浴びて光ってる

 

お腹は空きすぎて もう空腹も感じない

夕焼け色を吸い込んで

スカスカのお腹の中まで 染まってる

そんなふうに思えるほどの

コスタ・デル・ソルの夕焼けだった