JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

襲撃

電話がなった

いつもなら 

留守電のままにしておくけれど

今回は 業者と

わかっていたから すぐに出た

 

案の定 修理屋さん

ではなく 

霧吹メーカーの営業さん

 

大事に使っていた

蓄圧式霧吹きが 故障したので

問い合わせた そのお返事に

電話をくれたらしい

 

ふむふむと お話を聞いて

10秒経つか 経たないかくらいに

 

翼を大きく広げ

大きい(けど とんがってはいない)嘴を

こちらに向けて 射程を図り

たーん と踏み切る

ヤツの姿が 

目の端に 入った

 

咄嗟の判断で

体をキッチンの陰に沈み込ませる

狙っていた着地点(攻撃目標)が

急に視界から消え

ヤツは エレガントな弧を描き

冷蔵庫の上に すたっと

着地して こちらを

憤怒の眼差し(に私には見える)で

見下ろしている

 

けれど それは

たった2秒ほど

すぐさま ターンと踏み切った

 

やばい 来る!

慌ててキッチンの後ろに回り込む

 

イテッ

爪が頭皮に刺さったのを

振り切って

 

そのまま

机の後ろや 隣の部屋へ

姿勢を低くし

ヤツの攻撃をかわしながら

(爪のひっかかった頭皮を指で探りつつ)

移動する

 

もちろん

電話口の営業のお兄さんと

口調だけは にこやかに 話しながら

 

けれど 表情は

強張りまくり

 

羽ばたきの起こす風圧が

すぐそばの空気を

鋭く切り裂き

ヤツとの 

距離を教えてくれる

超 ぎりぎり やん 

 

本気で 狙ってきてますね

 

くりくり まんまるの 

(いつもは可愛い)大きな瞳の 中に

怒りの炎が見える…

 

”あんたねっ この何日か

ずっとでかけてたじゃんねっ

家にいる時くらい

あたちへの奉仕に

専念しなさいよっ

電話に出るなんて100年早いっ”

 

という声が

聞こえてきそう

 

すいません

だけど

言い訳させてもらえば

仕事です お仕事なんです

あと 習い事も… だけど

 

心の中で呟きつつ

視線はヤツから離さず

屈伸運動しながら 身をかわし

電話機の方へ

徐々に 距離を詰め

 

「よろしくお願いしまっす」と

受話器を置いた

 

ほっ 無傷

(ちょっと爪はかすったけど)

 

そして今

憤怒の大魔王は

一転

べたべたの 甘えん坊になって

飼い主に 

頭をカキカキさせている

 

この ギャップ

どうにか

ならないものですかね?