
通勤で車を運転していたら
前を走る車が
後ろに切り株みたいな物体を
括り付けている
なんなのかわからないと
かえって気になる
前の車とちょっと距離があったので
じーっと目を凝らしていたら
目が合った(ように思った)
なんと
括り付けられていたのは
角の立派な
牡鹿
根っこみたいに見えたのは
ピンと上がった脚だった
そういえば
朝 乾いた
パンっという音を聞いたのだった
あの音が
目の前の
頭を下に 脚を上にして
括り付けられている
雄鹿の命を奪ったのかも
この先何キロも続く
一本道で
鹿の目を見ながら運転するのが
辛くって
早めに右折した
だけど
そういうことなんだよね
猟の解禁日があって
ジビエを出す店があって
そして 私も含め
それを食べる人がいる
そういうことなんだと
頭ではわかっていても
目の前にすると
やっぱりちょっとショックを受ける
そういえば
ドイツでマルクトに行くと
よそ行きの服を着た人達が歩く
すぐ横に
ウサギがぶら下がっていたり
豚の半身が広げられていたっけ
そういうのを見なくなって
生きるって事は
命を貰う事なんだって事を
都合よく忘れていた
この冬の間
乾いたパンっという
音を聞くたびに
あの牡鹿を思い出すのだろうな