日本舞踊のお稽古で
どの舞妓さん芸妓さんが好き？
という話になった
というのも
今ちょうど 京都は
「都をどり」の季節
「以前 舞台で扇のなんちゃらかって曲を
舞ってらした芸妓さんが
とっても綺麗で 大好きですー」
という話をしたら
なんの曲？ と みんなで
曲の当てっこになった
「海の戦の曲で
あー 名前ど忘れしました
すっごく有名で
動きの激しい曲なんですけど」
『珠取り海女』？
『四季の海女』？
似てるけど 違う曲が
どんどん出てくる
「違います、違います
先代の十八番で…」
…そう、先代の舞うこの曲を見て
今の流派に入門した私
なのに ど忘れするなんて…
すかさずお師匠さんが
「わかった、八島！」
さすがお師匠さん
「先代の十八番」の一言で
すぐに 曲名を当てていただきました
ちなみに 『八島』は
源平合戦の
「屋島の戦い」に 取材した
勇壮な曲
そこで新人さんが目を丸くして
「『八島』って ここの流派 あるんですね」
「あるよー 二枚扇ですよね」と
扇を掲げて フリを真似た
「ぴょんぴょん跳ねる ハードな曲を
綺麗な芸妓さんが舞うから
かっこいいの なんのって
大変な曲だから
見るだけ見るだけー
眼福眼福」
と お目目キラキラさせる私に
お師匠さん
「なら 次は『八島』にしよう」
へっ？
「次は『八島』」
ほへへ？ だけど
「『八島』は…難しいし」
「大丈夫『山姥』の次は『八島』
もう決めたからね」
え？ 今、次の曲決まった？
それも『八島』だなんて…
お師匠さん 本気だろうか
でも『八島』は
大好きな曲だし
流派にとっても
大切な曲
教えていただけるのは
とっても嬉しい
けど やっぱり…大丈夫か？
今回のお師匠さんのお言葉
「もう決めたからね」
