
ペットロスとは
違うけど
ペット同士も 相方を失うのは
とってもとっても
精神的に ダメージを受ける
ドイツに連れて行った
小桜パキオには 幼馴染がいた
その子の名前は
小桜トプス
トプスは 夫が
ペットショップで選んだ子で
お店にいた頃から
虚弱っぽい 様子があったから
大丈夫かな と
実は 心配していた
2羽はとっても仲良しで
いつでも一緒
その仲の良さは
飼い主が
ジェラシーを感じるほど

ところが
一年も経たないうちに
トプスは体調を崩し
小鳥の病院のお医者さんも
一生懸命やってくれたけど
虹の橋を渡ってしまった
お友達と別れることに
なってしまった
パキオ
その直後から
まるで私が 仇敵であるかのように
飛びかかり
鋭い嘴で
襲いかかってくるようになった
それは
噛むだけじゃなくて
嘴を突き立て
ぐりぐり ねじ込んで
肉まで 食いちぎってやろうか!
って感じ
初めは
「痛い! 何するの!」と
手を引っ込めて
部屋の中を逃げまわっていたけれど
逃げても逃げても
襲いかかってくる
あの時のパキオは
目つきがいっちゃって
噛み付かずにはいられない
我慢できない
そんな感じだった
どんなに手で払っても
肉を噛みちぎらん勢いで
噛みついてくる
もう放鳥するのは
荷が重すぎる
どうしよう と悩んだ
だけど
放鳥をやめたら
パキオと私は
ずっと この関係のままに
なってしまう事は想像にかたくない
悩んでいた時 ふと
パキオは
すごく傷ついているんだって
遅まきながら気づいた
事情も理解できないまま
急に友達が連れ去られて
ひとりぽっちになって
寂しくって寂しくって
たまらないんだ って
私なんかより
ずっと 大きな傷を
心に受けたはず
辛いんだよね
寂しいんだよね
気持ちが納まらないんだよね
そう 気づいてから
手を引っ込めるのをやめた
(どうせ 襲うの諦めないし
放鳥タイムは
絶対に止めないと決めたから)
気が萎えるけど
凶暴な嘴に向けて
「どうぞ」と 手を近づけた
そして ぎりぎりと噛まれている間
目を背けて
ひたすらに我慢した
血は出るし 腫れるし
傷だらけの手は
右も左も
絆創膏で覆われた
だって
絆創膏のないところを
狙ってくるのだもの
放鳥のたびに流血を
繰り返し
会社で心配されるほど
傷だらけの手になって
何日か経った頃
パキオの表情が
柔らかくなって
噛み付く頻度がガクンとへった
そして
いつのまにか
全く噛まなくなった
どころか
べったりの
甘えん坊になった
やっと許してくれた
らしかった
あの時のパキオは
私が トプスをどこかに
連れて行った
トプスを返せ! と
言いたかったのかもしれない
ラブバードは
ペアの仲が とても良いことで有名で
だから名前もラブバード
そのラブバードの
パキオとトプスの絆と
トプス自身を
守ってあげられなかった 私のことを
パキオは
許してくれたらしい
それ以来 私に
全幅の信頼を
おいてくれていたのに
私は パキオを
ドイツに残して 日本に戻った
↓その時の顛末
パキオは どう思っただろう
またか と呆れただろうか
もう信じられないと 思っただろうね
謝ることしかできなくてごめんなさい
許してもらえなくても
仕方ないよね
***
虹の橋のたもとで
パキオは大好きなトプスと
再会できたかな