JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

ドイツの田舎道を運転する

 

夕日の沈む景色を思い浮かべる時

私は

海に沈む太陽を イメージすることが多いです

 

都会の夕日なら、窓への反射で

光でできた建造物に変わったビル群

 

住宅地なら 濃い影になった甍の上の真っ赤な夕焼け

でしょうか

 

一方で 日本国内で

水平線近くの森や林に沈む様子を見るような

場所って あまりないような気がします

 

ありそうなのは 北海道?

あと ヨーロッパの北側も多そうです

オランダなどは 海抜0mより低い場所ばっかりなので

 

ドイツの中では どちらかというとオランダ寄りの

ノルドライン・ウェストファーレン州

ヨーロッパ諸国の中では イギリスの次に

在留邦人が多く住む 

ドイツ

中でも日本人駐在員が多いのが

デュッセルドルフ

その郊外のそのまた郊外の

村と言った方が良さそうな

とってもとっても小さい町に住んでいました

 

町の端っこにある 車乗り入れ禁止の

お買い物スポットには

薬局とお肉屋さんとスポーツジムと郵便局

その外は もう 広い広い牧草地&畑&森

 

その牧草地を突っ切った所にある

乗馬クラブ(というか 厩舎)に 一時期通ってました

 

だだっぴろくて真っ平な 牧草地の中に

一本まっすぐ伸びる田舎道 

そこを 車でぶんっと飛ばしたら

どんなに気持ちいいか

 

って思うでしょ

 

それがね、出せないんですよ 速度

時速40km/hどころか

時速20km/h だって出せるかどうか

 

とは言っても

速度制限どころか 交通標識のない無法地帯です

見晴らしもいいんです

建造物もないし 

川も流れてないし

鹿出てきません

熊出てきません

猪見たことないです

万が一 出てきたとしても

遠くからすぐにわかります

 

では なぜ速度を落として走らなければならないか

 

それは今年の干支に関係があります

そうです!

うさぎですっ

 

牧草地と道の境界が あやふやなだけあって

道の上で 

ピーター・ラビット が

お食事したり、おっかけっこしたり

いちゃついたり、喧嘩したりしているんです

 

車が近づけば 逃げるから大丈夫じゃないの? って

思いましたよね 

 

はい、そうです 逃げます でも

速度は出せません

 

これ、実はうさぎの習性に関係があります

うさぎの捕食者といえば

鷹や鷲、狐など

 

天敵に襲われて逃げる時

うさぎは 一方向に逃げると見せておいて

きゅきゅっと

元来た方向に 方向転換をする

というトリックを使うのです

 

この方策

鷹 狐 テン 人間 などなどには

効果あると思います

でも

車って 横幅あるんです

方向転換しても車の走行幅の中で

ずっとジグザグ走っているだけになっちゃう

 

まだ 一直線に走った方が 

逃げるにゃましなんじゃないの? と

アドバイスしてあげたいけど

本能の縛りはキツい

なので その道を通る時は

目の前をジグザグジグザグ

陸上トレーニングをしているような

ウサギの群れを追いかけて まるで

伴走車のように

ゆっくりゆっくり走ることに

 

そのため、家から一番近いはずが 時には

道中一番時間のかかる 乗馬クラブになってしまった

 

でも 毎回毎回 うさぎの群に遭遇する訳ではないし

やっぱり広々とした中を行くって

気持ちがいい

 

鷹が空を舞って

狩をするところを見ることができたり

夕日が森に落ちていくのを見たり

 

道なんだか草地なんだか

境界線が時々わからなくなるような

田舎の道路

もちろん街灯なんてものはなく

夜は真っ暗

 

車のライトを反射して光る いくつもの瞳の中を

のろのろと走るのも

ドイツの田舎道 ならでは かもしれないです