JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

私が過去にハマった本 2 『月に歌うクジラ』

私が大好きで大好きでたまらない本

 

『月に歌うクジラ』(ダイアン・アッカーマン著 葉月陽子訳 筑摩書房 1994年)

 

かなり前に出版された本なので

もしかしたら図書館や中古でしか読めないかもしれない

けれど

この本に新たに出会える人が 

この世からいなくなるなんてことになったら

とっても残念で悲しい

そんなふうに思える本です

 

著者のダイアン・アッカーマンは詩人でライター

詩作をする人と、ネイチャーライティングが出合って

生み出された

 

『月に歌うクジラ』(The Moon by Whale Light)

 

この本で取り上げられているのは

コウモリ

ワニ

クジラ

そして ペンギン

 

クジラとペンギンはわかる気がする

だけどなぜ コウモリとワニ? 知らなくっていいよ 

と 思う人がいるかもしれないけど

 

そういう人にこそ、この本を読んでほしい

 

相手を翼で優しく抱きしめるコウモリ

ワニたちのウォーターダンス

打ち寄せる波と同じリズムで歌うクジラ

おしゃべりで甘えん坊なペンギン

 

読み終わったら 

彼らについて もっと知りたいって思えるかも

 

著者は動物学者たちと共に

動物たちの生息地を実際に訪れ

自然の中の彼らの姿を見て聞いて触れて、感じ 

それらを文字にして紡ぎ出す

 

実際に経験した者でなければ書くことのできない

今、すぐ目の前で起こっているような臨場感が

彼女独特の リリカルな表現を通して語られる

 

書かれているのは

動物の生態(現在では新たな事実が発見されているかも)だけではなくて

動物と人との関わり

自然の偉大さ、もろさ

インディ・ジョーンズ顔負けの 動物学者たちの行動力と彼らの夢

そして

「ワニからの攻撃を防ぐ方法」

ボイジャーに積み込まれたクジラの歌」

「ペンギンの雛に口を開けさせる方法」

といったこと

 

この本を読み終えたら

この世に存在する動物という動物全てに

「愛してるよーーー!」と叫びたくなるかもしれない

そして、彼らが今置かれている状況と これからのことを

考えずにはいられなくなるかもしれない

 

私の拙い文章では

この本の良さを到底紹介しきれないので

 

「訳者あとがき」に書かれた 著者の言葉を 

 

〜「私にとって、書くことは探求の方法であると同時に、

(生命に対する)祝福と祈りの儀式でもあるの」

「……私はね、自分の描く動物や風景に対して

読者が恋に落ちてくれるようにと願いながら文章を書くの。

読者がそれらの動物や風景を大好きになって、

こんなに素敵なものを失うのは耐えられないと思ってくれたら嬉しいんだけど」〜

(『月に歌うクジラ』訳者あとがきより)

 

読んだらさいご 生きとし生けるもの全てを 愛しいと思えてしまう

心の底から おすすめです

 

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