JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

ヨーロッパ横断 シベリア鉄道で日本を目指す!その6 ワルシャワからモスクワへ

クラクフからワルシャワを経由して 

モスクワへは寝台列車で向かった

 

コンパートメントには若夫婦と私の3人

奥さんは 食料品をたくさん持ち込んできていて

ピクルスやクッキーを次から次へと勧めてくれる

 

旦那さんがバッグから乾電池を出してきて

なんでもいいから 日本のものと交換してくれと言ってきた

ただ、私としても

ギリギリの荷物で旅行していたから

どれをあげても困ってしまう

 

けれど、日本人を見るのがとってもめずらしいのだろう

この機会を逃してなるものかと

旦那さんのアピールはとまらない

これもつける これもどうだ とお店を開き始めてしまった

奥さんが ごめんなさいね と何度も謝ってくる

 

必要だったら どこかで買えばいいか

お土産にもなるから

 

食料品のお礼に と 

トレーナーを渡した

 

旦那さんは早速着ようとしたけれど

小さ過ぎて 奥さんと私は吹き出し

 

夫婦は感じのいい人たちだったし

外をみたり時々話をしたり

久々にほっとできる列車旅行だった

 

翌日になって 夫婦はにこやかに手を振りながら

列車を降りてしまい

コンパートメントは急に寂しくなった

 

ぼんやりと外を見ていると列車が速度を落とし始めた

駅? と思って窓から外を見ると

制服を着た人たちが大勢歩いている

列車の中がざわざわとし始めた

 

他のコンパートメントの乗客なのか

言い争っている声が聞こえてきた

ポカンとしているうちに

ノックの音がして

軍服?を着た若い女性管理官が

コンパートメントのドアを開けて入ってきた

 

パスポートチェックだった

荷物を広げられて中身を確認され

ボディチェックもされた

 

「あれは何?」

騒ぐ声が続いているので聞いてみた

「許可されている以上の紙幣を持ち込んだのよ」

案外気軽に答えてくれた

(私は所持金を確認されなかったけど、外国人は良かったのかな?)

チェックは特に問題もなく終わった

 

しばらくして

列車が音を立てながらゆっくりと動き出した

 

窓の外を見ると、列車から降ろされたらしい人たちが

こちらを見ながら立ち尽くしていた