JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

嫌い、だけどそれは夏だから

 

お題「「住んで最高だった」「住んで最悪だった」という場所」

 

住めば都って本当だなあと思っているので、

基本、住み良いところに住めているかな。

なので、今住んでいるところが最高です🎶

 

ただ、一箇所だけ「もう勘弁、早くここから引っ越したい!」と思った場所があります。

 

海外なんですけど、

ドイツの地方都市、マンハイム

 

マンハイムはごくごく普通の街です。

ちょっと有名な王宮はあるけれど、ミュンヘンやケルンみたいな観光地ではない。

一応、古城街道の出発地点らしいんですけどね。

 

ドイツには珍しく、碁盤の目状に作られた街は、

碁盤だからって役に立ったかというと、そんな事は特にない。

 

私がいた時は、季節のせいか、埃っぽくて、空気が黄色っぽく色づいて見えた。

浮浪者も多くて、町に一人で出かけるのは気乗りしなかったなあ。

 

マンハイムには半年も住んでいなかったけど、

住んでいたアパートがまた、悲しいくらい狭かった。

 

その上、部屋に電話が引かれていなかったので

国際電話をかけるには

夜の夜中に外の公衆電話まで行かなければならず、

日本に電話したのはたった1回。

 

ドイツの緯度は北海道くらいなので

クーラーが備え付けられているアパートは基本的にない。

(今は温暖化でエアコンが一般的になってるかもしれませんが)

私の暮らした安アパートは言うまでもなくエアコンなしでした

(それどころか扇風機もなかった!)。

 

ところが、私がマンハイムで過ごした年は暑さの当たり年で、

毎晩毎晩、暑くて暑くて夜が寝苦しくてたまらない。

ベッドマットもまくらも床まで暑い。

 

あまりの暑さに音をあげて、

ベランダに置いてあった、

私の身長の半分もないくらいの大きさのテーブルを

ベッドがわりにして、上に何もかけずに寝てました。

(それでもまだ暑かった)

 

近隣は同じような高さのアパートだらけで

絶対に誰かに見られていたと思う。

実際、向かいのアパートの住人も、ベランダで寝てたもの。

でも、そんなこと気にしていられないくらい暑かった。

(なんか、「暑かった」しか書いていない気がするわ)

 

私、一応女なんですけどね。

若いってすごい。

 

ただ、向かいの部屋のベランダで寝ていた住人さん、

顔もよく見えなかったけれど、

毎晩ベランダで寝ているうちに、

いつの間にか、共に戦っている同志みたいな

奇妙な仲間意識が私の中に芽生えてた。

 

ねっとりと絡みつくような、息苦しさを覚えるほどの暑さの中で

寝苦しい夜を過ごしている、マンハイムの住民達

ドイツ人も、外国人も、子供も、大人もみんな。

 

なんだったんだろう、

この、同じ辛さを分かち合っているという、

苦甘い一体感というか連帯感。

 

 

マンハイムの街の記憶は

ベランダのテーブルの硬さ

そして、顔も知らない向かいの部屋の住人と

寝苦しい夜 

その三つに尽きる

 

多分、交通費出すって言われても、もう行かないと思うけど、

この印象の悪さは暑さと安アパートのせいなのであって、

他の季節で他の部屋だったら、また違うんだろうな。