JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

インコとの海外生活 ドイツペット事情

ドイツに行く前から

言うなら、二十代の頃からずっと

いつかお迎えしたい 

そう願い続けていたのは

ヨウム

アイリーン・ペッパーバーグ博士の

アレックスの記事を読んでから

いつかヨウムと一緒に暮らしたい

だけど、社宅に住んでいる限りは難しい と

飼鳥本を読んだり雑誌を読んだりしては

何年も夢を膨らませていました

 

そしてドイツに暮らすことになり

(海外なので、社宅ではない🎶)

3年ほどで帰国すると思っていたのが

なぜか期間がのびのびに

 

その間も

(日本の雑誌は取り寄せに時間がかかるので)

イギリスやドイツの飼鳥雑誌を

買っては読んで買っては読んで

 

それらの雑誌の中に

さまざまなペットのブリーダー情報を集めた

ブリーダー&飼い主募集雑誌がありました

 

ドイツのペットショップでは

フードやおもちゃ、ケージなどの周辺用品しか

販売していません

 

生体をお迎えする場合は ブリーダーに連絡をとります

ショップ内でセキセイインコオカメインコが飼われていることもありますが

巨大なケージ内で 複数羽飼われている場合がほとんどです

 

ブリーダーさんから聞いた話なので

現在は少し変わっているかもしれませんが

 

ドイツのブリーダーは許可制で

資格、能力、施設といった 要件をクリアしているかどうか

公的機関から定期的にチェックが入り

条件が満たされていない場合は 強制的に閉鎖されるとか

 

さて、そのブリーダー雑誌に

コイネズミヨウムの飼い主募集の記事が載っていました

 

コイネズミヨウムヨウムの亜種で少し小型

グレーの体とビビッドな赤い尾羽がチャームポイントの

ヨウムよりも 全体的に濃いめで嘴の色合いも少々違っています

 

神経質と言われるヨウムよりも

明るくて人見知りしない傾向があると読んだことがあり

一緒に暮らすなら コイネズミヨウムがいいな、と思っていました

 

犬や猫に比べ インコの寿命は

サイズの割に長い子が多いのです

 

生涯に渡って世話をするのだから

飼い始めるなら早い方がいい! と

そのブリーダーさんに連絡をとりました。

 

欧州では本業としてのブリーダーより

種の保存目的や趣味として 副業で行う人がほとんどです

私が連絡をとったブリーダーさんも

インコやオウムが大好きで、趣味で繁殖させていると言っていました

次はクルマサカオウムの繁殖にトライしたいと 嬉しそうに言う

おじさんの目のキラキラしていたこと!

 

繁殖スペースに案内してもらうと

なるほど かなり大がかりな施設

 

生まれた2羽のコイネズミヨウムの幼鳥にあわせてもらい 

目のくりくりした お腹の赤い羽が多い子を

もう少し成長してから

迎えに来る旨の契約を結びました

 

さて

事前に本や雑誌を読んで知識を得ても

ブリーダーさんに色々と教えてもらっても

やはりわからないことや不安なことがいろいろと出てきます

 

そこで私が頼ったのは

ドイツ南部にある大学の 獣医学科の鳥類研究室

 

飼鳥雑誌に

鳥類に詳しい研究室の連絡先が載っているんです

お迎えする前から

何回もそちらの研究室に電話して アドバイスをもらいました

 

その研究室に、私の住んでいる地域から近くの

鳥専門の名医と言われる獣医さんを紹介してもらい

健康診断とマイクロチップを依頼

 

マイクロチップはCITESに対応した

EU内の通し番号になっています

 

ドイツでは ある程度の大きさの動物病院になると

鳥をきちんと診ることのできる獣医さんが 

常駐している場合が多いようです

 

日本だと、小鳥も診ることができます、と標榜していても

実際はきちんと診察できないお医者さんが多いようなのですが…

 

隣町に大きな動物病院があり

そちらではペットホテルも併設していて

とてもお世話になりました

 

ヨーロッパに来る前は

鳥さんを飼う環境について 色々と心配していましたが

蓋を開けてみれば

鳥さんと暮らすには とてもとても理想的な環境でした

 

 

 

ペットつながりで

 

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが

ドイツのトラムには犬が乗ってきます

(自転車も乗って来ます ^-^)

犬種によってはマウスカバー? をしていますが

お散歩の一環みたいな感じで(キャリーではなく)そのまま乗ってくるのは

動物好きの私には 嬉しい驚きでした

 

 

どの子も 飼い主さんの足元でお座りしたり 

じっと伏せをしている お行儀の良い子ばかり

 

そういえば、犬が吠えるの 

聞いたことがなかったなー

 

 

ドイツでの犬の飼育についての記事があったので貼っておきますね

 

thinktank.php.co.jp

 

アウトバーンをビュンっとね

運転免許証持ってます が

日本では見事にペーパードライバー

車を運転する機会も必要もない

東京も神戸も京都も

車なしで十分行きたいところに行けてしまう

そして荷物はありがたいことに

宅配さんが運んでくれる

 

ところが、ドイツに行ったら

車がないと どこへ行くにも不便でたまらない

行きたいところにはバスもトラムも通っていない!

大型スーパーは車でくること前提だし

買い物は1週間に1回だから荷物多すぎ

(ドイツで宅配システムを使った事がない)

 

のため、私のドライバー歴は

ドイツで始まった(今の所ドイツでストップ)

 

EUの運転免許証は

日本の運転免許証と引き換えに 簡単に取得

有効期限が特に書いていないのだが

まだこれ使って ヨーロッパで運転できる???

 

日本でほとんど運転していなかった私

それでもさすがに左側通行は

小学生の頃からずっと身に馴染み

 

横断歩道を渡る時も まず右を見てしまうし

助手席に乗るときも 意識せずに車の左側に回ってしまう

 

そんな些細なところを体が覚えているらしい

 

それでもどうにかドイツの車と道路と右側通行に慣れ

(毎回運転しながら 右側右側 と唱えていた)

日本と違って 格段に広くて

走りやすくてガラ空きのドイツの道を走るのが

ちょっと楽しくなってきた

 

(その上、どの街のどんな細い道にも名前がついているので

番地も日本のようにすっ飛んだりせずに

素直に端から順番になっている

地図さえ持っていれば、まず、迷う事がない)

 

ちなみに

ドイツ人は車ずき、で綺麗ずき

日本よりもピカピカな車率高し

 

フランスやイタリアでは埃だらけでぼこぼこの車を

なかなかの確率で目撃したけれど

ドイツではそんな汚い車はまず見ない

ドイツ人の車への愛は半端ない

もしボコボコの車を見たら、

たぶんロマンス語系の方が持ち主だろうと

勝手に想像

縦列駐車するために、前の車と後ろの車に 

ガンゴンぶつけてスペース作って ちゃっかり駐車する車

イタリアで実際に見ちゃいましたから)

 

初めはおっかなびっくりだった私も

アウトバーンで150km/hを軽くだすくらいまで 成長

ただ、150km/h出せば もう追い越されないわ、なんて思っていたのですけど

後ろから猛烈な速度で近づいてくる車に車線を慌てて譲った時には

ドイツ人は速度狂が多いと聞いていたけど

150km/hなんて まだまだひよっこだったと実感

 

そんな私が まだドイツで運転をし始めて間もない頃

帰りが少し遅くなってしまい 真っ暗な道を

制限速度より ちょっとゆっくり目で走っておりました

周囲に車はほとんど走っていません

 

そんな中、後ろから近づいてくるパトカー

見回りお疲れ様ーと、気にせず運転していると

路肩に止めろと合図してくる

 

まじ? 私?

なに? 凶悪犯でも追ってるの⁉️

え、これって職務質問されるってこと?

 

心臓バクバク

 

私の車のすぐ後ろに止めたパトカーから

警官が顔の横でライトを持って、私の方に光を向けるという

あの、テレビドラマで良く見る持ち方をして 近づいてくる

 

窓ガラスをコンコンとノックされ

窓を開けろ、と身振りで示される

 

え、こういう時って、

両手を上に上げるんだっけ?

窓を開けてすぐに 両手で「参りました」ポーズ

そしてぎこちない笑顔を作って

「ハーイ🙋‍♀️」と言ってみる

 

警官は私の顔をまじまじと見て

「免許証見せて」

 

素直に出す 

警官が 免許証と私を見比べる

わー、これもドラマで見るやつだ

 

何々? 

次はアルコールチェックやる? 

 

私飲んだか? 飲んでない 

だけど、あのチョコレート、リキュール入りだった?

チョコレートボンボンも量を食べたらアルコール検出される? 

 

身に覚えは何もなくとも ドキドキ

 

 

身構える私を尻目に

警官パラパラと手を振って

 

「OK  行っていいよ」

 

へ? 

 

「何かあったんですか?」

と勇気を振り絞って言ってみる

 

「あんまりのろのろ走ってるから

薬物でもやってるのかと思ったけど 違ったね

もう少し速度出して、気をつけて帰りなさい」

 

警官はウインクをして

さっさとパトカーで去っていった

 

あまりのことに 思わずポカンとして

パトカーを見送る私

 

遅すぎて警察に止められたってこと⁉️

 

速度制限50km/hのところをせいぜいが45km/hじゃん

ん、40km/h位の時もあったかもだけど

他に車走ってないし

追い越し車線じゃないしっ

だって、暗いから怖いしっ

いいじゃんっ

 

この件で、ドイツではノロノロ運転禁止なのだと認識

ただ、その思い込み度合いが極端すぎたのか

3車線のだだっ広い、空き地の中を走る道路にて

速度違反で捕まること2回(学習能力だいじょうぶ? 私)

罰金なかなか お高いんで、懐が痛い😭

 

そのたびに、警官が

「良い1日をね」と満面の笑顔で言うのが

すっごく気に障るんですけどっ

 

 

さて、ドイツでの飲酒運転ですが

定量以下ならOK

そういえばパーティでも、乾杯のワイン一杯くらいだったら

皆さん飲んで車で帰ってました🍷

ウチもレストランでアペリティフだのワインだの頼んで

自動車を運転して帰るとか当然のようにやってましたもん

 

だからアルコールチェックされなかったのね

 

(ただし、アルコールの量によっては 勿論免停になる事があります。

実際に免停になってしまって車で営業できなくなり

すっごく大変なことになった人がおりました)

 

だけど そう、今回は

ドイツではゆっくり走っていると

パトカーに止められる (事があるよー) というお話でした

 

あー、びっくりした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風邪ひきさんの思い出

 

幼い頃の私は よく風邪をひく子供で

幼稚園も休みがち

 

熱を出すと決まって 

普段は台所になど立つことのない父が

葛湯と林檎のすりおろしを作ってくれた

 

葛粉がぽったりとしていくのを見るのが楽しくて

熱があるのに 父の横にぴったり張り付いて

鍋の中を覗いてました

 

小さなお椀に入れた半透明の葛湯と

ポタージュみたいな 色の変わり始めたりんご

 

父の隣で順繰りに口に運ぶ

それは甘くて 暖かくて ひんやりしていて 

風邪をひいた時しか味わえない特別な味

 

子煩悩な父に比べ 

母は風邪なんて寝ておけば治る というのが子育ての方針 

そのせいか、風邪をひいたからと

病院に連れて行ってもらったことがない

(ただ、げんきんなもので、課外授業を休みたくて

診断書が欲しい時だけは病院に行ったけど)

 

考えてみれば

小さい頃は筋金入りの父親っ子でした

宿題を見てくれるのも

休みの日に遊んでくれるのも

箸の使い方を教えてくれたのも

一緒にゲームするのも 父

 

私はいつも父の後をついてまわり

熱を出すと 

父が本を買って来てくれたり、様子を見てくれたり

熱をはかってくれたり 薬を用意してくれたりして

 

今となると、それが嬉しくて

意識してはいなかったけれど

熱を出していたのかも、なんて今は思う

 

幼い私の目に写る父は

なんでも知っていて

いつでも正しくて

優しくて

この世で一番カッコよかった

 

 

けれど 反抗期以降は

視線が鬱陶しくなったのか

それとも

母の「風邪は寝て治す」主義のおかげで体が強くなったのか?

熱を出すことも少なくなって 学校を休むこともなくなった

 

その頃から 次第に父との間に距離ができはじめ

海外滞在が長かったこともあって

亡くなる数年前まで 疎遠になって

(母とは電話で頻繁に話していたけれど)

 

そして最後の何年かは 父と顔を合わせるたびに

その時々の

悩み事や、やらなくてはならない事ばかり考えていた

 

私の中に 父に対する しこりというか

しがらみのようなものがあったのだな

とわかったのは

こんなふうに 父との温かい思い出が浮かぶようになってから

 

以前は思い出す事がなかったから

 

大好きだったからこそ

一旦距離ができてしまうと

それがまるで強固な要塞のように

感じようとする気持ちを撥ねつけてしまうのかも

 

やっと幼い頃の父との思い出を

優しく思い出せるようになってきたこと

これも喪の作業の一つなのかもしれません

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インコと一緒の海外引越しは大騒ぎ

夫のドイツ赴任が決まった時

御歳5才のコザクラインコと一緒に暮らしていて

夫から「どうする?」 と聞かれた時

躊躇なく、「一緒に行くに決まってるでしょ」と一刀両断

 

引越しの行き先が海外なだけで

一緒に飛行機に乗って、ドイツに行けばいいんだよね と

お気楽に考えていたんです

 

 

そうは問屋が卸さない

 

その頃の日本は

出るのも入るのも ペットはほぼノーチェック

(帰国時は無茶苦茶厳しくなりました)

 

一方で ヨーロッパにインコと一緒に

入国するのは そう簡単ではないことが判明

 

ちなみに動物愛護の進んでいるヨーロッパ諸国の中でも

引越し先のドイツは

「動物の福祉と権利」を基本法ドイツ国憲法)でうたい

動物を法律内で「同胞 仲間」と表現するという

羨ましくなるくらい 筋金入りの動物愛護国家

 

 

その頃、コザクラインコ

CITES(注)の対象で(今は対象から外れています)

 

CITES付属書記載のペットを海外に連れて行くには

通常の輸出入許可証の他にも

CITESの許可証が必要😱

 

そこで何がチェックされるかというと

野生ではなく、ブリードされた健康な個体なんですよね

正式ルートで購入しているんでしょうね ということ

 

そのため、お迎えしたお店に購買証明を出してもらったり

厚生労働省や空港の検疫などと

事前に何度も連絡をとる必要がありました。

 

今みたいにネットで調べればなんでもわかる時代ではない上

鳥をつれて渡航をした人の経験談なんて

簡単に見つからず😭

 

購買証明を出してもらおうにも

何年も前のレシートなんて 

さっさと捨てていて (冷や汗💦)

 

ショップのおじさんが私のことを覚えていてくれて良かった(ほっ)

 

てんやわんやの末

 

晴れて全ての書類を揃え

やり遂げました、ハードルクリア 

これで安心 インコと一緒にドイツに行ける、と気が抜けた私

 

ところが 本丸の

引越し作業がまるまる残っていた

 

お引越しといえば独身時代の身軽な引越しのイメージが抜けず

家族引きまとめ国際引越しの えげつなさを

(その頃は未だ)知らぬが仏の お気楽さ

 

そんな私だったので

 

引越し作業を1日で終え

その日のうちに成田のホテルに移動

翌日成田から飛行機に搭乗 で楽勝😁

 

なんて、能天気なスケジュールを

立てていたのでした

 

国内引越しなら

このタイトスケジュールでもどうにかなるのですが

 

海外引越しって

船便と航空便とトランクルームと3つに分けて

荷物を出さなければなりません

 

書類の枚数も多いし記載内容も細かい

 

案の定

 

出国前日 東京都大田区某所にて

 

(夏休みの宿題はぎりぎりまで手をつけず

待ち合わせの約束時間には全力疾走前提で

10分前ならぬon timeを守り続ける私らしく)

 

夕方ぎりぎりまで 引越し荷物の搬出作業をするはめに

 

ちなみに 夫はさっさと現地に行ってしまい

これ以降 毎度のことですが 引越し作業は私の仕事

 

 

2(D)Kの狭い社宅が 日通さんの段ボールだらけになったのを見て

さすがにひとりでやるには無理すぎると悟って

真っ青になった私

 

巨大に育ったベンジャミンやなんやかやと交換条件で友達に援軍を頼み

呆れ顔の運送業者さんに頭を下げ

 

暑い7月の真っ只中 汗だくになりながら

 

各段ボールごとに入れるものを業者さんに伝え

運送業者さんが詰めてくれた段ボールをチェック

書類をチェックしてサイン を

何度も繰り返し

 

それと並行して

搬出の終わった場所から雑巾をかけていきました

 

荷物を出し終わった部屋はがらんとして

綺麗になりはしたものの

本人は汗と汚れで まあ、きっちゃない

 

水シャワーを浴び

この時のためにと とっておいたバスタオルで拭き

ドライヤーをトランクルーム行きの段ボールに入れてしまったので

髪は必然的に自然乾燥

 

さて、時計を見れば

まずいっ! 電車時間まであと15分!

 

 

社宅から まるで逃げるように大慌てで飛び出して

 

 

インコともども

友人の車で最寄駅まで送ってもらったのでした

 

疾走プラス ontime 癖の抜けない私

ホームで見送るね、と言ってくれていた友達に

駅前の交差点で

 

「いや、ここでおろして どうもありがとう! じゃねっ」 と

 

片手にインコキャリー

もう片手にはシャワーで使ったタオルや石鹸を入れた紙袋

そして背には貴重品やチケットを入れた

カブトムシみたいに丸々したリュックを背負って

 

全力疾走!

 

電車と同時にホーム到着

 

間に合って良かったー

Oちゃん、手伝ってくれて、送ってくれてありがとう

 

後から友人のO嬢曰く

 

「Juniperのさ

紙袋からタオルをなびかせて 駅に向かって猛ダッシュする後ろ姿

何年経っても絶対に忘れないと思う」

 

 

 

注 :CITES:ワシントン条約

絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引における条約

Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora

www.meti.go.jp

冬の空

晴れた冬の空が好き

 

きらめきながら冬の空から降りてくる星の光は

大切に育まれた鉱石が放つ光のような 直線

 

星には詳しくない私が

冬の空で 唯一 すぐに

見分けられるのが オリオン座

 

ベルト部分の3つの星が特徴的で

星音痴にも優しい

 

授業で習った 冬の大三角形

オリオンのベテルギウス

おおいぬ座シリウス そして 

こいぬ座の なんだっけ?

 

特に月のない夜 

街灯のない 開けた場所で見上げる空は

隅々まで星に埋め尽くされて

 

どの星の光も強く

大三角形は私の好みに合わせて

大きくなったり 小さくなったりする

 

ずっと見上げているうちに

星々が大河となって

私の周囲を滔々と流れだし

世界で私だけが

星々に囲まれて立っているように錯覚してしまう

 

晴れた冬の夜

見上げれば いつでもそこにあって

私を見下ろしていると思っていた天の川なのに

ここ何年か見ていない

 

京都市内とは言え、街中とは言いがたい

見晴らしの良い場所に住んでいるのに

視力の問題?

 

そういえば

オリオン座も冬の大三角形も 

探しているのに

見つけることができないでいる

 

 

 

アイルランドで松平健になる

 

 

懐かしの

暴れん坊将軍』のオープニングで

松平健演じる徳川吉宗

朱色フサフサの飾りをつけた白馬に乗って 

海辺をパッパカ駆け抜ける姿

 

この映像を見て

 

気持ちいいだろうなー

馬に乗って浜辺を駆けて見たいものだわ、と思ったのは

私一人ではありますまい 

 

実は、その夢、叶いました

アイルランド

 

ただ、私が徳川吉宗ではないからでしょうか

なんか 思ったのと かなり違ってましたけど

 

ダブリンに秋風が吹き始めた頃

厩舎オーナーのホリーに

「海岸で外乗するけど 行く?」 と誘われました

 

私の脳裏には

暴れん坊将軍の颯爽とした姿が浮かび

 

すぐさま

「いくいく!」と答えたのは言うまでもありません

 

当日はアイルランドらしいお天気で

(曇り空時々小雨?)

風はなく、穏やかな外乗日和

 

参加者7名

それぞれが現地集合

(私はホリーに車で連れて行ってもらい)

馬運車に乗せてきた馬達を浜で馬装します

 

広々とした海岸に人の姿は見えず

思い切り馬を走らせることができそう🎶

 

期待はぐんぐん高まります

馬達も潮の香りを嗅いで

蹄で砂を掻いたり、他の子にちょっかい出したり

ちょっといなないてみたりして

ウキウキ走りたくて仕方のない様子

 

私も とうとう 女暴れん坊将軍 実現だー! と期待いっぱい

 

もちろん、外見はかなり違うけど 

(Gジャンに乗馬用ジョッパーズ、AEGLEのゴム長)

 

 

そしてみなさんひらり(?)と馬にまたがって

全員騎乗

 

ホリーが「あそこの岩ま…」と

最後まで言い終わらないうちに

 

待ちきれず

一頭の馬が駆け出した

 

この時ほど 馬は群れを作る動物なんだ

馬がいるから競馬がある と

実感したことはありません

 

先頭の馬を追いかけて

我先にと 波打ち際をひた駆ける 馬 馬 馬

 

将軍気分はどこへやら 

ただただ手綱に全体重をかけて 引っ張って

どうにかスピードを落とそうとするけれど

前の馬のお尻に人参がぶら下がってるのかと思うくらいに

 

「制御 どうにもこうにも 不能

 

そして私、この時初めてギャロップを体験

(*ギャロップ=馬の脚全てが地面につかない瞬間がある、最も速度の速い駆け方)

 

同時に、前の馬の蹴り上げた

濡れた砂が私の顔面向けて

これでもか! とばかりに 投げつけられる

 

前を向けば泥

目を閉じれば恐怖

口の中はジャリジャリ

 

速度さえ落とせないのに

行き先のコントロールなんて、できるなんて思う方が無理なんです

 

せめて泥だけは目に入らぬよう

下を向いて馬に全てを任せることに

 

手綱どころか馬の首に抱きつくようにして

(本当はこの体勢がまずかった)

「どうぞ気のすむままお走りください」の心持ち

 

やっと速度が遅くなった と思ったら

全ての馬が 走るだけ走って気が済んだのか

速度を落としてトロットになっていた

 

よかった、生きてた

 

先生達が後からのんびりやってきて

(実は、この浜辺に何度も外乗に来ていて

どこまでなら行っていいか どこから引き返すかを

馬の方がよく知っていたらしい

なるほどね 道理で私以外の誰として 慌てていない)

 

みんな集まって互いの姿を見て爆笑

先頭の馬に乗った人以外 全員が頭から足の先まで泥だらけ

もちろん馬も泥だらけ

 

「海に乗り入れて泥を落としましょうか

行きすぎて自分が濡れないようにね」

 

みんなで馬を海にザバザバと乗り入れる

 

暴れん坊将軍みたいに格好良くは乗れなかったけれど

波打ち際を馬で歩くのはとっても楽しい

 

なんたって自分は濡れることなく

自分の行きたい方向に馬を進めて

海の風景を楽しめるのだから

(そして前から泥を投げつけられることもない)

 

 

急に何か音がして 後ろを振り向いた

 

そこには馬がポツネンと立っている

 

ん? 馬だけ?

 

え? と思って辺りを見回すと

乗っていた子がやけに下にいる

 

彼女、海に尻餅をついて

苦笑いをしていた

(馬が何かに驚いて跳ねたらしい)

 

ええー どうしたの?

大丈夫?

みんなが わやわや集まってきて

 

彼女もびちょびちょのまま大笑い

 

 

 

そんなこんなで

笑いありハプニングあり

山ほどの洗濯物ありの外乗でしたが

 

あまりの楽しさに

この後も何回か参加しました

 

(前の馬の真後ろを避け

泥跳ねを「それほど」受けずに

走らせる事ができるよう

さすがの私も学習しました)

 

ただ、何度経験を積んでも

「馬の気持ちの赴くまま」でしたけど

 

斯くして、私の「女暴れん坊将軍になる!」体験は

足の先から頭の先まで泥だらけ にて

一件落着 なのでございました

 

何かいいことありそうな

 

 

一月三日お正月 お散歩に行ったら

龍みたいな 大きな鳥みたいな雲が

虹色に輝いて ずっと空に浮かんでました

 

神様からの素敵なプレゼント

皆様にもお裾分け

良い年になりますね🎶